新証券税制(2)特定口座による申告不要制度は便利だが
まず、デイトレードチックに売買を繰り返している人で、これまでどおり、株式売買ごときで確定申告の手間を取りたくない、という人は、迷いなく「特定口座」への移行をお勧めします。
特定口座の中で、「申告不要制度」を利用すると、毎年の(株式売買による)確定申告をしなくても良くなります。確定申告の必要なく課税が終了する、この点に大きなメリットを感じる人がとても多いはずです。
具体的な課税方法は次のとおりです。
まず、特定口座での売買に関しては、各銘柄の売値、買値、売買手数料のすべてが、証券会社側で管理されます。そして、実際の売買を1ヶ月ごとに集計し、差益がある場合、その15%を証券会社が源泉徴収します。どこから源泉徴収するのかはいまのところわかりませんが、おそらく現金をプールする口座、MRF、MMFなどから源泉徴収することになるのでしょう。
源泉徴収したらMRF内の現金がマイナスになる、などのケースでどうするかは、実際に受付が始まらないとなんともいえません。あらかじめ、税金分を買い付け余力から外す、などの対策を立てると思われます。
さらに、年度末には、過去1年分の最終的な売買が集計され、投資家に報告されます。この報告をもとに、改めて確定申告をすることも可能です。なお、この報告は税務署にも送られ、住民税分の5%に関して、市町村から改めて請求が来るようです。
この申告不要制度を使って税金を源泉徴収してもらい、さらに確定申告を見送れば、納税が完了すると同時に、株式売買による譲渡所得は「なかったもの」とみなされます。
しかし、政府のほうは、あの手この手を使って、「確定申告をしたほうが何かと有利である」優遇制度をいくつか作りました。それらの制度を活用してさらに税金を節約するためには、確定申告が必要です。
優遇税制の中では、申告不要制度を使っていても確定申告さえすればよいもの、申告不要制度を使ってしまうと優遇を受けられなくなるものがあります。とっても面倒でいやになります(^^;;;
次回は、確定申告をしたほうが良いケースを、いくつか取り上げます。
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