1年100万円で暮らしてみる?
経済界という出版社の、「100万円で暮らす」がキーワードの書籍を2冊、読んでみました。
「年収100万円で楽しく幸せに生活する本」 実藤秀志/著
こちらの本は、今後押し寄せるデフレ、リストラ、不況、そして収入減により、どんどん年収は減っていく。だから、そのための備えをなるべく早くしましょうね、という内容が大半です。
極端な話、ワークシェアリングなどを企業が本格活用すれば、年収100万円に向けてまっしぐら、という感じになる、というシミュレーションを元に、それが非現実的な数字ではない、だから覚悟しなさい、という脅かしから入ってます。
じゃ、実際に年収100万円で暮らすにはどうするの? ってあたりは、少し薄いです。どういう節約方法があるか、に関しては、より詳しい奥様向けの本を読んでくれ、という感じになってます。
著者は公認会計士&税理士だそうですが、明らかに机上の空論で語っており、実際に生活を試みよう、という部分の説得力がいまいち、という印象でした。
2冊目はむしろ実体験と哲学にあふれています。
「明るく賢く暮らす年収100万円安心生活術」 横田濱夫/著
横田氏は、「はみ出し銀行マン」シリーズの著者で、もしかしたら有名なのかもしれません。私は横田氏の本を読んだのは初めてでした。
横田氏の場合、「本が売れて大金が入ったので脱サラしたら、その後売れなくなって貧乏な思いをした」という失敗談からスタートしており、実際に年収数100万円で家族を養っていたという経験から、努力すれば、欲を捨てれば何でも安く済ませられる、という方向性で論じてます。
節約の実例もそこそこ豊富で、こっちは実際にやってみると節約になるかも、と思わせます。
2冊、ざっと読み終えたところで感じたのは、やはり本人が無駄だと思えば、お金は使わずにすむのだ、ということでした。移動は徒歩、服も毎年買う必要はない、流行を追いかけて必要以上にCDなどを買う必要もない、などですね。
ただ、あまりに行過ぎた緊縮家計を考えてしまうと、精神的に煮詰まってしまうのも事実です。個別事情で譲れない部分は、深く考えないほうがいいでしょう。
2冊に共通していたのは「借金は可能な限り作るな」という点です。収入の範囲内でで生活するというのは、個人的には当たり前だと思ってるんですけど、それができない人って、そんなに多いんですかね?
※リンク調整しました。横田濱夫氏はいまいずこ???(2014/04/02追記)
« サッカー日本、またまた惜しかった | トップページ | 逆転裁判2プレイ中 »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- FIREのロールモデルを雑誌記事で確認せよ(2023.08.22)
- 結婚が重要でない時代に何を相手に求めて結婚するのか(2021.10.16)
- まつもと泉先生,死去。(2020.10.14)
- 図書館に関する覚書(2020.07.14)
- 週刊ダイヤモンドの三田会記事が1冊になりました(2018.03.17)
「FPよもやま話:そのほかいろいろ」カテゴリの記事
- 年収の壁という名前のメンタルブロックについて(2023.09.26)
- 65歳以上の高齢者人口、減少に転じる(2023.09.17)
- 税金はお金の流通の摩擦熱の回収(2023.08.18)
- 風呂なし物件を選ぶ若者がいたっていいじゃないか当人が幸せならば(2023.01.18)
- 結婚が重要でない時代に何を相手に求めて結婚するのか(2021.10.16)