配当、実質増税だが便利になる?
各方面からとってもわかりにくいといわれている、株式の税制ですが、だいぶ簡素化されるようです。年内の国会審議などで正式に決まるのでしょうが、おおざっぱには次の2点が目玉です。
・配当の完全20%天引きによる課税完了制度(金額制限なし!)
・特定口座利用者の申告不要制度
配当ですが、これまでは原則、確定申告による総合課税で、配当控除を受ける必要がありました。ただし、
・1銘柄につき年間10万円以内の配当は申告「しなくてもよい」
という制度だったのです。この配当控除の制度がなくなる模様です。
すなわち、株式は配当に関しては「ほかの金融商品の利子、配当と同等になる」というわけです。これは便利です。
一部「せっかく還付で税金取り戻していたのに〜」とうマメな人もいるでしょうが、多くの一般的な投資家にとっては大歓迎の制度改革ではないでしょうか?
また、特定口座の扱いも、一気に便利になりそうです。現状では、1ヶ月おきに利益の計算をして、そのたびに税金を引かれる仕組みです。これだと、ある月に損が出た場合、その損を取り戻すためには必ず確定申告しなければなりません。
どーせコンピュータによる口座管理なら、1年間の集計でやれば、確定申告は不要になるはずです。よって、そういう仕組みにするそうです。
「複数の証券会社に銘柄が違う株式を持ってて、損が出たらどうするんだー」という意見もあるでしょうが、そんな人はちゃんと確定申告してください(^^;;; それがどうしても面倒なら、メイン証券会社をひとつだけ決めて特定口座で売買すればよいでしょう。
それにしても、コロコロ仕組みを変えられると、そのほうが混乱してしまうんですけどねぇ。ただ、今回の変更は「改良」だと思うので、ぜひ法案通過してほしいところです。
※税制そのほかは、最新情報をご確認ください。当時の話として基本的に原文のまま残しています。(2004/8/3追記)
※念のため。配当所得の配当控除は、結局のところ2014年現在存続しています。(2014/03/29追記)
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