スピード感の違い
先日、途中まで書いて止まっていた先物取引を経験した後の心境の変化について、改めて書こうと思います。
※数字の間違いがあったので、一部修正(12:30)
株式投資と商品先物取引の違いで一番強調したいのが、やはりレバレッジの大きさによる資金増減のスピードです。
株式投資では基本的に、時価による売買になります。仮に5月10日に、ソフトバンク(9984)を1単元買おうと思ったら、525000円の予算が必要です(Eトレード証券で成行による買い注文の場合)。そして、資金を倍にするには、株価が単純に倍になる必要があります。
商品先物の場合、仮に5月10日に、東京ガソリン11月限を買い建てる場合、ザラ場のどのタイミングであっても、105000円で1枚分の権利が得られます。31000円だろうが32000円だろうが変わりありません。そしてもし、31000円で買い建てた玉を、32000円で売り決済できれば、そのときの差金は100000円となります。たった1000円の値動きで、ほぼ2倍の資金になるのです。
繰り返し、なぜ1000円の値動きで10万円の差金になるか解説します(重要なのでしつこく書きます)。
31000円とか32000円は、ガソリン1キロリットルの値段です。1枚は、ガソリン100キロリットルです。これは、株式が1株単位の値段で表示されても、実際の売買は100株や1000株すなわち1単元で行うのと同じ理屈です。
1枚分の権利が100キロリットルですから、1枚買い玉を建てると、
31000円×100キロリットル=3100000円
すなわち、310万円のガソリンの権利が成立したことになります。次に、買い建てしたものが32000円になると、
32000円×100キロリットル=3200000円
すなわち、320万円のガソリンになっています。売り決済をすれば、
320万円-310万円=10万円
となり、手元には元々の10万5000円と、差金の10万円が残る、というわけです。
ここで、取らぬタヌキの皮算用をしてみます。
ソフトバンクの2003年12月22日の始値が2815円でした。ここから、2004年4月5日の終値5710円まで待たないと、2倍にはなりません(ソフトバンクのチャート:ヤフーファイナンス)。
一方、東京ガソリンの場合、チャートを見る限り、1000円程度の値幅取りのチャンスが何度も訪れているように思います(石油系のチャートの一例:ひまわりエナジー)。
株式ではソフトバンクを例にあげてみましたが、実際には株式上場銘柄は何千もあります。その中から、2倍、3倍になる銘柄がほかにもあるでしょう。
しかし、その数千銘柄の中から2倍、3倍になる銘柄を探し当てるよりも、商品先物の数銘柄をじっくりと研究するだけで何度も資金を倍にできるチャンスを迎えられるなら、どちらのほうが楽でしょう? しかも、より少ない資金でそれが可能だとしたら。
もちろん、間違ったときには極力早く損切りを行うのが前提です。損切りをしたとしても、次のチャンスは株式よりも早くやってきます。間違いにすぐ気がついて、損を可能な限り小さくし、次の儲けではなるべく大きく取る。
レバレッジが高く、資金増減のスピードが早い先物取引では、投機家側もより早い判断が必要です。そして、このスピード感を利用できるようになって初めて、投機で生活費が稼げるようになるのでは、と思います。
※チャートは、表示現在のものであり、本文とはかなりずれてます。ご了承ください。また、東京ガソリンの証拠金や倍率は現在変更されてます。(2014/04/21追記)
みんなのコモディティ:ガソリン
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