401Kが泣いている
401Kによる企業年金運用が徐々に広まりつつあるようですが、その一方で転職時の手続きを怠り、運用されずに現金として残っている金額が急増しているようです。
産経新聞の記事によりますと、
・企業型確定拠出年金に加入していた人が転退職するさいに手続きを怠り、放置されてしまった年金原資が15109人分、44億円にのぼっている。
とのことです。ひとり平均約30万円もの年金原資が、国民年金基金連合会に一時預かりされてしまう可能性があるとのことです。
現在、企業型確定拠出年金の加入者数が100万人を突破したとのことですが、そのうちの約1.5%もの人たちが、せっかくの年金運用を手続きミスにより、無駄にしてしまっているようです。
もっとも、通常の社会保険同様、手続きが複雑かつわかりにくいのもその原因かもしれません。
企業型確定拠出年金加入者が転退職したときに年金原資をどうするか、という選択肢には、これまた産経新聞の記事によると、
・転職先の企業型401kに移管する
・個人型401kに移管する
・在職中の年金資産残高だけを運用し続ける
・加入期間が三年以下の場合には脱退一時金で受け取る
の4つがあるそうです。ただ、転職先が仮に企業型を採用しており、移管できたとしても、転職前の会社と同じ運用先を選べるかは不明です。個人型に移行する場合は、毎月の拠出額が変更されてしまいます。在職中の年金原資のみでの運用は、限られた資金で運用となるわけでとても難しいです。一番もったいないのは、脱会一時金で受け取って散財してしまうことでしょう。
それにしても、運用結果も自己責任、転職時の手続きも自己責任。手続きを忘れたら運用されずに手数料まで取られて一時預かり。拠出時、運用益の税金が優遇されているとはいえ、確定拠出年金は何気に厳しいシステムだな、と改めて思いました。
もうすこしちゃんと勉強すれば、この分野でもファイナンシャルプランナーが協力できるのかもしれません。
※リンクを下記に追加します。(2014/05/09追記)
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