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今週のM.I.Q.:要するに借金をどうするか?

なんとなーく、今週のM.I.Q.を読んでいて、むなしさを感じてしまいました。

黒場先生はマネーの面だけを見て「この店はやめるしかない」と言い切ってしまい、さっさと行ってしまいました。

たしかに、青井ヒトミさんのレストランは、現状の借金まみれの経営では、いずれつじつまが合わなくなるのだろうな、と思います。

最近では会社経営を調査する際に、損益計算書、貸借対照表以外にも、キャッシュフローを確認するのが重要である、という認識ができつつあります。

損益計算書や貸借対照表に比べて、キャッシュフローはいじりようがない、というのがその理由です。

会社経営においては、3種類のキャッシュフローがよく出てきます。

・営業活動によるキャッシュフロー
 本業で儲かっているならもちろんプラス。実際には減価償却や、有価証券や固定資産の売買による損益もここに入る。

・投資活動によるキャッシュフロー
 有価証券や固定資産などを買うと、現金が出て行き(支出)、マイナスになる。有価証券や固定資産を売り払うと、現金が入る(収入)のでプラスになる。

・財務活動によるキャッシュフロー
 借入(借金)をすると、現金が入る(収入)のでプラスになる。借金返済は現金が出て行く(支出)のでマイナスになる。

※損益と収支の違いに要注意。

一般論では、営業キャッシュフローと投資キャッシュフローと財務キャッシュフローの比率が

    8:-1:-1

であるのが理想的、なのだそうです。もちろん、業種業態によっては比率が変わるものでしょうし、ある時期に一気に借金を返済するなどしたら、バランスは崩れるのでしょう。

で、レストラン経営において有価証券や固定資産は毎日売買するものではない、と仮定し、投資キャッシュフローはゼロとします。そうだとしても、青井ヒトミさんのレストランにおいて、営業キャッシュフローと財務キャッシュフローの比率は、

    3:-2.7  (ほぼ1:-1)

となり、たしかにこれではまずいですよね。せっかく入ったキャッシュがすぐ出て行くのですから(^^;;;

「“カネモチの公式”におけるマネーのI.Q.その1! “借金の返済という支出を減らせ”だ!!」(黒場先生)

そして、マンガの中では、店を続けながら借金を返済するのは難しい。むしろ店をやめ、ほかの飲食店にサブリースし、家賃収入でせっせと借金返済することがベターかのように描かれています。

それでは身もふたもないし、ヒトミさんの気持ちを何も考えていない。実際、かなり思い入れのある土地で、しかも借りている土地らしい、というわけで、小田ちゃんが八木くんと三浦くんを巻き込んで人肌脱ぐことになりました。その行方は非常に楽しみです。

ただ、私が一番気になったのは、付加価値を生み出せないなら何もしないほうがよい、というふうに読める黒場先生の主張です。まぁ、ヒトミさんとは初対面でそれほど思い入れはないでしょうが、ちょっとクールすぎるように思います。

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