外貨から始めるのは実は合理的なんです
アセットアロケーションに関する知識を少し学ぶと、最初に始めるべき投資は外貨預金もし外貨MMFなのではないか、と思います。そのような行動は合理的であると感じます。
多くの日本人が、日本で暮らし、日本の通貨である円で給料をもらい、円を貯蓄し、円を使っています。したがって、ほとんどの日本人の資産形成(預貯金)が、円の割合が100%の状態からスタートします。
そしてある程度預貯金がたまると、不動産(自宅)を買ったり、リスク資産(主に株式)を買ったりします。
日本経済が好調であり、対応可能なインフレが続いているなら、俗に言う財産3分法で十分です。預貯金(債券)積み立て、不動産購入、そして株式投資の3つを、バランスよく行うことで資産全体を守るのです。これが、アセットアロケーションの基本になります。
ただし、不動産と株式を組み込んだとしても、この段階では日本円の割合が100%であることに違いありません。これでは、日本のみの景気動向に資産の増減が左右されてしまいます。土地価格も下がり、株も下がり、債券利回り(銀行利子)も下がる、なんていうことが起こると目も当てられません。
しかし、日本が不景気であっても、海外に目を向ければ、好景気である場合があるのです。そこで、その好景気の恩恵を受けよう、というのが外貨投資になります。
例えば、アメリカの通貨ドル、ヨーロッパの通貨ユーロに、いくらかのお金を変えてしまうのです。そうすると、日本と比較しても高めの金利が享受できます。
そして、一般論になりますが、日本が不景気のとき、円安が進みます。円安が進むということは、ドルやユーロに変えた外貨には含み益が乗ります。
もちろん、過剰に外貨に頼るわけにはいきません。日本の景気が良くなれば、円高になります。円高が進むと、ドルやユーロに変えた外貨に含み損が出るからです。
すなわち、為替リスクがあるというわけです。
さて、株式投資の価格変動リスクは非常に高いです。かなり多くの人が株式投資をしない最大の理由です。
そして、不動産は通常、非常に多くの資金が必要であり、流動性リスクがかなり高いです。
外貨の場合、価格変動とはすなわち為替リスクですが、それは比較的穏やかです。そして、まとまった資金も必要なく、流動性(換金性)も非常に高いです。
したがって、日本円100%での運用を始めたばかりの人が取り掛かるリスク資産として、通貨分散が行えて、しかも流動性リスクが低く、価格変動リスクも比較的限定的な外貨預金、外貨MMFからスタートするのは、理にかなっているんです。
リスク資産がどうしても苦手という人は、まずは外貨MMFから始めてみるのはいかがでしょう?
※日興コーディアル証券監修にて、外貨投資に関するコミックが発売されているそうです。
※リンクの修正などしました。(2014/05/21追記)
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