保険の理解が深まれば選択も変わるだろう
最近、保険証券を分析する手伝いをしているのですが、人それぞれだなと改めて思います。そして、この人は本当にこの保険に納得して加入しているのだろうか? とも思います。
保険料に支払われるお金は、生活費の中では余裕資金に分類されます。もっとも、余裕が無くても最低限の保険には入っておいたほうがよいのですが、保険にお金を回しすぎて、日々の暮らしが苦しいとうのは明らかに本末転倒です。
いや、十分に暮らせるので、高額な保険料の支払いに耐えられるのかもしれません。
生命保険は、契約すると税金がまけてもらえる珍しい商品である、という話をしたことがありますが、それでも年間10万円までの支払いに対して、生命保険料控除が5万円分使えるだけです。
基本的に掛け捨てであろう生命保険は、年間支払額10万円程度に抑えるべきであろうと、税制面から示唆を与えているようにも思います。
どうせなら、年間10万円までの年金保険の支払いに対して、年金保険料控除5万円分もフルに活用したほうがよいですね。保険料分の金額に対して税金が節約できる上、年金としてもらうときまで、運用利益に対する所得税が繰り延べされているはずです。実際に年金受け取りするさいにも、雑所得による税金はほとんどかからないと思われます。
でも実は、以上の仕組みは、国民年金にも当てはまりますけどね。国民年金の場合は、保険料全額が社会保険料控除として使えます。そして年金として受け取るさいに、まず公的年金控除を受けた後の金額が所得税の対象となるのです。また、国民年金基金の場合は運用利益への課税も繰り延べされているはずです。
そういえば、FPフェアのセッションでおもしろいたとえ話を聞きました。国民年金が仮にいまのところの上限の16900円まで上がったとします。その金額を40年フルに支払うと、約800万円になります。それに対して、もらえる金額、将来は目減りしたとして年金60万円だとしましょうか?
仮にそうだとしても、800万円に対して、毎年60万円の配当を受け取れる金融商品が、この世の中にあるのでしょうか! と、その方は力説していました。ちなみに、配当利回り約7.5%です。
国民年金、かなり悲観的な数字を出してます。もし、今の金額で比較したらどうなるでしょう。保険料は13580円です。40年完納で約652万円。そのときの年金額が79.5万円です。配当利回り約12.1%・・・。
比較してはいけないかもしれませんが、日本一売れてる投資信託のグロソブでさえ、基準価格8000円程度に対して、年間税込み配当額は480円(いまのところ毎月40円)。配当利回り約6%になります。グロソブは投資すればすぐもらえる、年金は時間がかかる、という違いはありますけどね。
配当利回りと比較するところがミソだったりします。配当といえば株式投資。株式投資の元本には増減のリスクがあり、最悪、発行体がつぶれるとゼロになります。保険料はそもそも帰ってくることを期待してはいけないと暗示させる効果もあるかもしれません。
ともあれ、こんなに有利な年金制度があることに気が付けば、とりあえず民間の年金保険は後回しにすべきだな、という判断も出来ると思います。国も国民年金の徴収効率を上げたいなら、税制面で生命保険料控除の見直しをするべきでしょう。例えば、年金保険料控除の廃止、そのかわり生命保険料控除の増額、という形でもよいかもしれない、というのが私見です。
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