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自民圧勝! 与党で327議席獲得

9月11日投開票が行われた衆議院選挙、最終結果は次の通りでした。

自民党 296議席
公明党 31議席

与党合計 327議席

民主党 113議席
共産党 9議席
社民党 7議席
国民新党 4議席
新党日本 1議席
諸派(新党大地) 1議席 
その他(無所属) 18議席

与党以外合計 153議席

いやしかし、ここまでの与党圧勝は想定外です。小選挙区制が、いかに一方的に結果がぶれるかを示す好例ではないでしょうか?

今回の選挙に関して、私の感想を3つ上げてみます。

・わかりやすければ、より多くの人が理解でき、行動に移せる
今回の投票率は、67%台だったそうです。ここ数回は60%前後だったことを考えると、だいぶ回復したといえます。なぜ回復したのか。期日前投票が利用しやすくなり、別に選挙日当日でなくても投票してもかまわないと考えた人が増えたこともあるでしょうが、やはり小泉首相がわかりやすい選択肢を与えたことにつきるのではないかと思えます。

郵政民営化を賛成か、反対か。

郵政民営化を賛成し、その後も特定の既得権益などに左右されない政治に賛成か。

特定の既得権益を守ることが、地元利益にもかない、それを重視するがために郵政民営化に反対か。

「法案がまずいから反対なんです」と、一部の無所属の議員は言ってますが、はっきり言ってわかりにくい。

法案がダメなのなら、対案を出せばいい、それを出せないのは何が原因か?

とりあえずは、郵政民営化を小泉首相にやらせてみよう。30年も一本気に同じことを言っているその信念に掛けてみよう。しがらみの無い、本当に国民に目を向けた政治を残りの任期でもやるのかどうか、見守ってみよう。

小泉首相にやらせるためには、自民党と公明党に票を入れよう。今回の自民党公認候補は、明らかに改革推進派ばかりのはずだし。

こんなわかりやすい選挙は、これまでなかったのではないか、と思います。


・政党増加で2大政党制はむしろ遠のいている
今回、意外だったのは、共産党、社民党の退潮に歯止めがかかった点と、国民新党と新党日本が、新たに政権要件を無事に満たした点です。

選挙を昔から注目してきたならばわかると思いますが、民主党は実際には自民党OBの集まりです。もちろん、民主党から国政デビューするような新人は除きますが。自民党OBという意味では、国民新党と新党日本もほぼ同様です。

したがって、真性野党は、まさに共産党と社民党だけなのです。

「たしかな野党が必要です」とは、政権を目指さないのだろうか? という突っ込みも出るでしょうが、妙に納得させられるキャッチフレーズには違いありません。

これだけ財政の赤字増大が懸念され、これを解消するには財政再建と増税を組み合わせるしかないはずなのに、公務員リストラの鼻緒となるはずの郵政民営化に反対、サラリーマン増税にも反対。こんな主張が認められたから、退潮に歯止めがかかったのでしょうか?

社民党も、護憲を軸に、その主張の受け皿となりえたことにより、退潮に歯止めがかかったのでしょう。個人的には、60年も昔、戦後のドタバタで作られた憲法を、1文字たりとも変えないというのは違和感があるのですが。

それに加えて、新たに自民党から分離してきた国民新党と新党日本が、議席をしっかり確保したり、比例得票で規定を満たして政党扱いを勝ち取りました。

これで、国政において合計7つもの政党がひしめくことになります。現状の選挙制度よりも、もっと政党要件を厳しくしないと、2大政党制には絶対に移行しないと思われます。

今回、どちらかといえば郵政民営化に関してシロクロをつける選挙だったように思えますが、日本人の根っからの気性として、完全にシロクロのみで判断するのは、まだまだ抵抗があるのかもしれないですね。


・公明党の与党離脱があるかもしれない
自民党と公明党は、完全にワンセットなのでしょうか?

今回、自民党にとって、公明党との選挙協力がどれくらい効果があったのでしょうか? ある意味、小泉ブームによって、自民党は単独で絶対安定多数を占めてしまいました。小泉首相から次の首相にバトンタッチするさい、連立を解消することも可能です。そんな色気が出てもおかしくありません。

そして、公明党は今回、選挙前34議席に対して、当選31議席と、勢力が縮小となってます。公明党にとって、与党として影響力が残るものの、離脱したところで自民党の単独政権も可能です。そもそも、自民党からの選挙協力がどれくらい有効に働いているでしょうか?

連立政権に影響力があるうちは、公明党の離脱はなさそうですが、郵政民営化法案が済んで以降、小泉首相の任期切れ前後、次回の参議院選挙前後などに、連立の是非が話題になりそうな気がしてなりません。

・最後に
おそらく、これほどの大勝利は、小泉首相はもちろん、ほとんどの関係者が想像できなかったのではないかと思います。せっかくのチャンスなので、しがらみのないところで、構造改革、政治改革、財政改革など、がりがりとやっていただきたいものです。

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