正規分布と標準偏差
ちょっとしたきっかけで、正規分布と標準偏差について改めて勉強することになりました。
正規分布とは、ある平均値の前後に数値がばらつく様子を表したグラフで、つりがね状の形になります。
標準偏差は、具体的なばらつき具合を数字にしたものです。
仮に、平均を50、標準偏差を10、ということにしたとき、ある数字はだいたい75~25までに収まるよう変換されます。これが偏差値です。
より詳しい話は、グーグル検索していただくとして。
実は、運用の話をするときに、期待されるパフォーマンスは10%、標準偏差は20%くらいのリスクがあります、という具合に解説をされる場合があります。標準偏差のことを単なる記号でシグマ(σ)と表すこともあります。これは、どういう理解をすればいいのかご存知でしょうか?
期待されるパフォーマンスが10%ということは、とある投資案件(投資信託など)で、過去一定期間において、平均で10%成長していた、ということを表しています。
一方、標準偏差20%とは、平均を前後して上下20%ほど、パフォーマンスがばらつく、ということを表しています。
すなわち、パフォーマンスは将来、30%~-10%の範囲が期待できるというわけです。
ところで、パフォーマンスのばらつきが正規分布をすると仮定したとき、数学上では、この30%~-10%の間に、68.27%の割合でこの中に納まることになっています。
ついでに、「相場に絶対はない」ので、もっとパフォーマンスが上振れ、もしくは下振れすることを考えます。標準偏差の2倍、すなわち40%ぶれる可能性を考えます。
40%ぶれるとはすなわち、50%~-30%のパフォーマンスとなる可能性があるということになります。これも正規分布が前提とすると、実は、95.45%の確率でこの間のパフォーマンスに収まることになっています。
では、-30%ものパフォーマンスが起きる可能性は、実際には何%になるのでしょうか? 正規分布が前提であれば、ずばり、たったの2.28%です。
ついでに、-10%以下のパフォーマンスとなる確率は、16.87%です。おおよそ、6面サイコロの1を狙って本当に1が出る確率です。
以上のように、最悪これくらいのパフォーマンスになる確率というのは、正規分布を前提に平均と標準偏差の関係を理解していれば、おおよそ推測できるのです。もちろん絶対はありえないのですが、2%程度の確率になりそうな事象というのは、それほど起こらないだろうな、と、楽観的になったりできるのではないでしょうか?
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