渡米を振り返る(後編)
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さて、FPA大会の後は、ニューヨークです。
ニューヨークでは、ヒルトンニューヨークに泊まることになりました。
ヒルトンといえば、世界的に有名な、あのヒルトンです。最近、ヒルトン家の人が歌手として何かとお騒がせですが、ホテルは何と言っても超一流です。こんな機会でもなければ泊まることは叶わないかもしれません。
ニューヨークというのは面白い街でした。道路は長方形に区画整理されてます。南北にアベニューが、東西にストリートが伸びてます。アベニュー同士は約300メートル間隔、ストリート同士は約100メートル間隔となってます。よって、どのアベニューとどのストリートに挟まれた場所、というのがわかれば、交差点の看板を当てにしながらたどり着くことができるのです。
そして、車道は一方通行が基本で、しかも渋滞がちなため、行きはバスで20分くらいかかった場所から、30分くらいで徒歩で楽勝で帰って来られます(^^;;;
日本人がけっこう多いためか、日本人を意識した店舗展開をしているところも多かったです。お昼には、めんちゃんこ亭というラーメン屋に入ってみたりしました。また、吉野家も出店しているので、わざわざ食べにいきました(^^;;;
ブランドショップにも巡りました。コーチでは、日本語ができる店員さんが対応してました。ナイキでは、いち早くiPodとスポーツを連動させるグッズの展示がされてました。
ツアーには実は、オプションが設定されてて、他の参加者はヘリコプターによる凱旋ツアーや、自由の女神への訪問、ブロードウェイミュージカルの観劇などにも参加されたようです。私としては、ニューヨークを歩くだけで十分、観光気分に浸れると思ったので参加しませんでしたが、そのような機会は将来改めて実現できればと思いました。
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ニューヨークの研修は、初日のRIA事務所への訪問から始まりました。2日目はニューヨーク証券取引所の見学、某資産運用会社の投資セミナーを受講しました。
RIAとは、日本では聞きなれないと思います。registered investment adviser、すなわち登録された投資アドバイザーの略で、あえて言えば一任勘定ができる個人の投資顧問業となります。RIAは、顧客の資産を預かる口座からアセットマネジメントフィー(相談料)を引き出すことができるそうで、そんな面でも日本の証券外務員とは一味違う職業です。
アメリカのCFP認定者は、RIAの資格や、会計士の資格を取り、それらを駆使して顧客に対するFP相談を行います。よって、包括的FPの際に、他の人を介さないとできない業務が少なくなります。確定申告代行なども行える場合があり、そうなると、顧客の財産のすべての面倒を見られるということになります。
日本では、一任勘定が基本的に許されない以上、不可能な形態です。また、税務に関しては税理士か公認会計士の資格が必要です。保険募集人、証券外務員の資格は、比較的簡単に取れるでしょうが、税理士はよほど勉強に専念しないと難しいでしょう。
ただ、アメリカでお会いしたRIAの方々は、税理士業務の重要性を強調していました。だとすると、日本の場合はパートナーシップを組むほうが現実的です。これは、私としても将来の課題となりました。
2日目は、いよいよニューヨーク証券取引所です。はっきり行って某社さまさまです。今現在、通常では入れない場所に入れていただきました。中にいたのは実質的に2時間程度でしたが、まさにNYダウが当時の史上最高値近辺の値をつけた現場に居合わせたことになります。厳しい入管チェック(例えるなら、改めて入国審査を受ける雰囲気)を通過したかいがあったというものです。
ニューヨーク取引所を前後して、元ワールドトレードセンターの場所に寄ったり、遠めに自由の女神を拝んだり、国際連合ビルの横を通るなどして、観光気分も味わいました。
そして、いよいよ、おそらくは真のメインイベント。某資産運用会社の投資セミナーに参加しました。
・人はひとえに損失回避的である。利益時の喜びよりも、損失時の苦しみのほうが倍以上大きいため、あまりに損失を確認すると苦しみが溜まってしまい、投資に対して消極的になってしまう。
※いわゆる行動ファイナンス。
・投資を長続きさせるコツは、投資全体のパフォーマンスに注目し、なるべく値動きの異なる資産をバランスを考えながら買うこと。個別銘柄の売買、個別アセットへの投資のすべてで儲かっている必要はまったくない。
※いわゆる国際分散投資。
・高齢者は債券中心の運用でよい、というのは誤解である。なぜなら60歳の人の半数近くはあと30年くらい元気でいられる。それほどの長い期間、資産を守るためには株式中心の運用を検討しなければならない。
※いわゆるリタイヤメントプランニング。
このセミナーで学んだ内容が、将来、私のお客様に役に立てられればよいなと思いました。
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以上のような、さまざまな良い経験を積んで、無事に帰ってくることができました。現地には1週間の滞在でしたが、時差ボケが慣れつつあるタイミングでの帰国で、帰ってきてから改めて時差ボケに苦しみました(^^;;; さらに貯まった仕事を片付けたり、私の事情で延びてしまったお客様対応をしたり、けっこう忙しい日々が続きました。一般公開できる内容で旅を振り返るのに2週間近く時間が経ってしまいました。
アメリカに行ってみて、改めて、アメリカではFPという職業が認知されており、業界として成り立っているということがわかりました。ただ、お客様を集めるという点においては、アメリカのFP業界もまだまだ開拓の余地があるのが本音のようです。そのアメリカと比較して、日本はさまざまな環境がさらに20年遅れていると言われています。今後、日本のFPが少しでもアメリカの状況に近づくために、今回経験したこと、現地FPの生の声が、少しでも生かせればよいなと思いました。
また、今回は元々、研修が主でしたが、旅に出るというのはとてもいいものだ、というのが改めてわかりました。思い切って時間を作り、普段の生活を忘れるのもよいことです。今後は、海外など大げさなものでなくても、たまに、しっかりとスケジューリングをして、どこかに出かけられるようになればとも思いました。もちろん、FPA大会にも、数年おきくらいに出かけてみたいです。
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