平均入院日数の実際
各種報道によりますと、厚生労働省が3年おきに行っている、入院患者に関する調査(正確には「患者調査の概況」)が発表されました。
各種報道に、取り上げる内容が異なっていて面白いです。
朝日新聞は、地域ごとに、平均入院日数が倍くらいになっている点を取り上げていました。
具体的には、全国平均が39.2日。一番短いのは山形県の28.4日。一番長いのは石川県の58.7日でした。入院日数が長い上位8県のうち、石川県を除く7県は九州と四国に固まるとのこと。
また、平均入院日数にこれほど差がある原因として、慢性疾患や精神疾患の患者は入院日数が長引く傾向があり、療養病床や精神病床が人口比で多い県は、その患者の多さにより平均日数を押し上げているのではないか、という分析も紹介されました。
一方、日経新聞では、入院患者のうち、5人に1人は、受け入れ体制さえ整えば退院できる「社会的入院者」であることを報道しています。
慢性疾患、精神疾患の場合、介護する人がいないなどの理由で退院したくない、という事情もあるのかもしれません。その人たちが退院できる環境になれば、医療費が減らせる、という理屈になりそうです。
医療費が減るかわりに、介護費が増える気がするのですが。
ところで、厚生労働省の発表内容を直接見ると、報道内容にプラスしていろいろと考えがめぐります。
例えば、一般病床の平均入院日数が22.5日に対して、精神病床だと372.1日。療養病床だと203.2日です。
うつ病の薬を飲んでる人に、民間保険の審査が厳しい理由がわかった気がします。入院長すぎです。かといって、親族も面倒を見たくないという図式が浮かんできます。
そんな事情で全体の平均入院日数がかさ上げされているなら、どれくらいの入院日数がカバーできる保険で十分か、理解できそうな気がします。