「おふくろさん」騒動から森進一を考える
2006年紅白歌合戦は、結果的に非常に記憶に残る紅白になりました。
まず、DJ OZMAの裸体ボディースーツ騒動。
次に、「千の風になって」ブーム。
最後に、「おふくろさん」に関するトラブルです。おそらく、紅白で歌うことがなければ、これほどの騒ぎにはならなかったのでしょう。
シンガーソングライターが席巻している音楽界において、今回のような、歌手と作詞家がトラブルになるという状況は、正直、想像が付きませんでした。
歌を作る側の立場で考えれば、自身のクレジットが出ている歌に対して、自分が作った覚えのない歌詞が増えているのは、違和感があって当然です。
しかも、10年も前から川内氏は森氏側に抗議を続けている。ついに堪忍袋の緒が切れたのが、紅白での「余計な歌詞をつけての」歌唱だった。
森進一氏の言い分としては、歌手としては提供される歌を歌っていただけであり、歌の改変に関しては、すでに許可済みであると理解していたという。
ちょっとしたすれ違いだったはずが、今回のような大トラブルになってしまった。
私としては、ガンコなおじいさんが、すでに決着が付いていることを蒸し返した、ように見ていたのですが、どうもそうではないようで、JASRACも、改変バージョンを歌うのはよろしくない、というお達しを出したそうな。
おそらく、世の中に流れているカラオケなどでは、改変バージョンは収録されていないはずで、一般人までがカラオケにて「おふくろさん」を歌えなくなるという状況にはならないのだろう。
完全に森氏を拒絶している川内氏が、変心して森氏の説明を受け入れる状況になるのか、森氏がおふくろさんをはじめとする川内作品を諦めるのか、どうなるかわかりません。
ただ、森氏は2度の離婚暦があります。これが自身の闘病により家族をかえりみられなかった代償でなく、本人の人間性によるものだとすると、川内氏を振り返らせるために、森氏が変わらなければならない部分のほうが大きいのかもしれません。
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