FPは無料で相談を受けてはいけない
昨日、久しぶりにFP業界のパイオニアとも言える、井畑敏氏の講演を聞きました。
グローバルマネジメントアカデミー、日本リタイヤメントファイナンシャルアドバイザー協議会が主催のセミナーでした。
井畑氏は常日頃、自分がFPのカリキュラムを作ったが、そのカリキュラムの中にFP事業の行い方を含めなかったのが失敗だった、と嘆いておられます。
現状では、日本のFP業界は、アメリカのそれと比較して、30年は遅れているかもしれない、とのこと。
日本の2007年の現状は、アメリカの1977年前後の状況ではないか、とのことです。
たしかに、5~6年前に初めて井畑氏の著作に触れたとき、日本はアメリカより20年は遅れてると書かれていました。そのときから、ほとんど何も進歩していないのではないか、という印象は、私も感じます。
もちろん、住まいと保険と資産管理のように、客観的に見てうまく行ってそうなFP会社もあるのですが。非常にまれな例でしょう。
井畑氏は、FPが事業として成り立つためには、FPとしてのいわゆるライフプラン提案書と、その提案書の内容を実行するための商品選択を含む実行提案書を別立てで考えて、ライフプラン提案書でしっかりと相談料をいただくべきだ、と提案しています。
FPは先生業であり、お客様から感謝されるべき、とも。医師が処方箋を書いて診察料をいただけるが、薬局の店主には薬代しか支払わない。そこを理解して、FPが医師のように感謝されるにはどうすればいいかを考えるべき。
相談等を無料で行い、最終的に保険、投資信託を買っていただくのは、それは結局のところ保険代理店業、証券営業である。医療で言うところの薬局です。
たしかに、最終的に取り扱う保険、投資信託を買ってもらえれば代理店手数料が入ります。心のどこかで、それでいい、もしくはそれを優先してしまいがちです。
それを打破するために、無理に保険や投資信託を扱わない、というい手段もあります。
井畑氏の話を改めて聞いて、個別対応が必要な案件を無料相談という形で受け入れるのは、そろそろ潮時かもしれない、と感じています。