他人に仕事をさせる方法を模索する
他人をどうやって導く、もしくは指示通りに動いてもらうというのは、非常に難しいと思います。自己実現のための啓発本を読んで、自分自身が変わろうとするほうが、むしろ簡単なような気がします。
自分が出した指示を、それがいかに重要であるかを説明したとして、指示を受けた側がしっかりとそれを受け止められるかどうかは彼次第だからです。
通常、とある1つのプロジェクトは、複数のメンバーで作業が並列に行われます。
もちろん、リーダーがいて、その部下がいて、それぞれが重要な仕事をしているはずですが、リーダーは全体の進捗を管理するために、各メンバーごとの進捗状態を把握する必要があります。
誰がボトルネックになっているのか、仕事の具合をヒアリングして、何を優先するべきか、的確な指示を出そうとします。
本来ならコミュニケーションすることが大切ですが、リーダーがいわゆるメンバーを兼ねているとき、自分が調整役と実行役の両方をせねばならず、調整役ばかりに時間を取られるわけにはいかない状況も考えられます。
そこでリーダーは、プロジェクト管理ツールのようなものを使いたくなる衝動に駆られます。具体的な指示内容をそのツールに入力し、メッセージを送信する。部下はクライアントでその内容を把握し、自分がどの作業を優先すべきか確認する。
部下は、終わった仕事の報告をツールのクライアントに入力して送信する。リーダーは仕事終了報告を受信し、その内容を確認するという具合です。
リーダー、およびプロジェクトのメンバー全員が、それらの情報を共有し、プロジェクト全体の進捗をよりスムーズにすることを目指す。たしかによさそうな仕組みです。
問題は、そういった便利なツールを使ったところで、やはりプロジェクト全体の足を引っ張る人が出てくるであろうという点です。そういったメンバーのフォローは、結局のところ、重点的なコミュニケーションが必要でしょう。
間違っても、ツールのメッセージのみで指示を済まそうとするのはよくないです。手間をかけるべきところを把握するためのツールだと、割り切ったほうがよいかと思います。