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【米国研修】4日目:夢の実現をイメージする

引き続き、私が2009年10月9日~17日まで、8泊9日(うち機内1泊)で行ってきた、アメリカ研修旅行について公開します。4日目終了まで、FPA大会参加最終日です。

現地10月12日

FPA大会、私たちが参加した、事実上の最終日です。この日も、研修漬けの1日になりました。まずは早朝の朝食付きセッションです。


2009/10/12 7:00-8:00
Sponsored Educational Breakfast Session
Financial Planning :Critical to Your Survival!
First Command Financial Services
Brian Birdwell

このセッションは、将来にわたって語り継がれる朝食セッションになりそうだ、とのことです。

Brian Birdwell氏は、2001年9月11日、軍人としてペンタゴンで働いていました。そう、その日、米国同時多発テロに巻き込まれたのでした。Birdwell氏が働いていた隣の部屋に飛行機が突っ込み、彼は体の皮膚の6割に火傷を負ったとのこと。これって通常ならとっくに亡くなってます。

それが、奇跡的に回復して、リハビリで通常の生活はできるようになった。さすがに軍人としてはリタイヤしたようですが、その様子はまさにサバイバルでしょう。

しかし、自身のその体験は、自分にいつ、何が起こるのかわからないが、自分の気持ち次第で未来は変えることができる、という信念に変わったようです。

その思いを、FPという仕事で、多くの人に伝えたいと。タイトルのとおり、「あなたが生きるために、ファイナンシャルプランニングは不可欠です」と。

事件も有名ですし、当人もその経歴を出版されており、有名人であるには違いないですが、それでも、朝ごはんで行うセッションでスタンディングオベーションが起こるのは異例、とのことでした。

朝食セッション後、すぐに次の会場へ移ります。


2009/10/12 8:15-9:30
Using Creative Presentations to Build Client Trust
Elissa Buie

Buie氏(女性)は、10年前位のFPAチェアマンで、業界の重鎮のひとりだそうです。ツアーメンバー参加者のひとりが、話を聞くのをとても楽しみにしされていたようでした。

テーマは、お客様との信頼関係の築き方に関して。アイコンタクトとか、相槌とか、傾聴とか、それらを駆使して、お客様との信頼を築きましょう、という話でした。

特に、感情が高まってしまったお客様に対して、いっしょに付き合ってこちらも感情を高めてしまうと、いつまで経ってもお客様が落ち着かないので、そんななるべく冷静に聞くことに徹するべきだ、なんていう話もありました。

午前中にもう1つ、セッションを受けました。


2009/10/12 10:00-11:45
Roadmap to Success; Speaking the Language of Trust
Bill Bachrach

こちらは、観客が多いセッションとなりました。かなり有名なFPのようでした。

セッションの序盤で、前のほうを陣取っていた韓国人系の参加者が、レシーバーを持って仲間へ通訳をしていたため、それを邪魔に思ったBachrach氏が自ら追い出してしまいました。英語に不自由な私は、通訳の必要性は十分承知してますけど、あまりに目立つ場所でブツブツつぶやいていたら、たしかに邪魔でしょうね。

こんなときは、今後はtwitterのようなソーシャルメディアに入力してもらう、とかのほうがよいかもしれません。ちょっと話がずれましたが。

それはともかく、内容は、FPとして成功するにはどうするべきか、というものでした。

Bachrach氏は、自身がマラソン大会に参加して、無事にゴールした体験を踏まえて、目標やプランを作ること、成功をイメージすることの重要さを語っていました。

また、顧客への信頼を得るアドバイザーは、税理士、保険代理店、弁護士、銀行、そしてFPをも束ねるコンダクターのような立場であるべき、という話もされました。


午前中のセッションが終了し、前日と同様、会場でお昼ごはんを食べ、少々の休憩を取って、いよいよ最後、クロージングゼネラルセッションに参加します。


2009/10/12 15:45-17:15
Closing General Session
The Economy 2009: A Roadmap to Rcovery
Marci Rossell

アメリカのビジネスニュース系放送局CNBCの、元アナリストの方のセッションでした。

ここ数年の、ラブプライムローンショックから始まり、昨年のリーマンショックで極まった感のあるバブル崩壊。最近でこそ目先より株価が上がっていて、今後どうなるかさまざまな評価があります。Rossell氏(女性)によると、これらの金融危機は、エコノミストにも責任があると自戒を語っています。

1970年以降、何度も金融危機は起こっていたが、今回、2008年のそれは、最大級のものであろうと。なぜそうなったか? これまでは、大きすぎる企業は破綻させないと言う暗黙のルールがあったが、リーマン・ブラザーズを破綻させたことで、どこでも破綻しうるという疑心暗鬼が生じてしまった。よって、リスク資産回避の動きが一気に起きて、ありえないはずの下落相場になってしまった。

特に不動産バブルは、90年代の日本と同じだから、日本の経験がアメリカでも役に立つだろう。

デフレは、経済回復のために必要なメカニズムだ。

アメリカの住宅価格が2006年のレベルに回復するのは、2016年くらいではないか?

インフレはコントロールできないし、インフレが起これば、金利上昇も起こるだろう。

以上のようなお話でした。なお、アメリカでは日本のような国民皆保険は、文化として受け入れられないのではないか、とも話しておられました。


最後のゼネラルセッションが終わり、夜は、クロージングナイトレセプションに参加しました。場所は、宿泊したヒルトンホテルの隣の、マリオットホテルでした。

これは、米国内の参加者はもちろん、海外の参加者も一堂に会するイベントで、もちろんアルコール付き、バイキング形式のナイトパーティです。まぁ、ドレスコードはカジュアルでOKでしたが。

ただ、毎年参加している人に聞くと、やはり例年よりも規模が縮小されているとのことでした。食べ物なども、豪華さが少々減ったとのこと。

レセプションでは、今回の日本からの参加者と話し込みました。特に、私たちFPの師匠とも話し込みました。

FPの仕事とは、お客様の夢を引き出して、その夢を実現することをお手伝いすることだ、という話が、心にずしりと響きました。夢の実現のために提案書を作り、夢の実現のために必要な金融商品を案内する。保険でも投資信託でもかまわない。お客様が自身の夢を実現するために必要だと思ったなら、話はすんなり進むはずだ、と。

ただ、師匠の話で、納得し難い点もありました。提案書作成の際に、シミュレーションに統計データを使うことの是非についてです。

師匠は、お客様の夢は千差万別であり、夢に対する値段は異なる。だから、統計データを使うのはナンセンスだ、とおっしゃいました。

しかし一方では、子供の学費や結婚費用、とりあえずの住宅購入費用や葬式費用など、漠然としすぎていてどれくらい使うかわからないので、FPに相談したい、というニーズもあります。世の中の人はこれくらい使いますけど、みなさんはどうしますか? という流れのほうが自然のような気がします。

ライフプラン提案書作成ツールを使うときに、あらかじめ平均値を引き出す機能があるだけでも、作業の効率化が図れるのですけどね。数字の修正は簡単にできるようになっていればなおよいです。FPごとの個性が現れるのは、そのあとの提案内容だと思いますし。

レセプションは早めに切り上げて、FPA大会への参加は終了となりました。

なお、レセプションで物足りなかったメンバーが、ホテルの外のファーストフード店に繰り出していきました(^^;;;

※続く

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