保険法の改正
2010年4月1日に、保険法が施行されます。
これまで、法律で厳密に規定されていなかった、いわゆる第3分野の保険(医療保険やがん保険)も、しっかり保険法の範囲に含まれます。
また、これまで保険金の支払いを早く行うことは、保険会社の努力目標でしがた、今回の保険法施行により、支払遅延金の規定が盛り込まれました。
そのほかにもいろいろありますが、特に注意したいのは、やはり告知でしょう。
告知に関しては、これまでは約款に定められた規定により、告知義務違反が見つかった場合、けっこう一方的に契約解除になるケースが多かったようです。
特に、その未告知が故意などの重大な過失の場合は、たとえ契約締結以降、長い期間が過ぎていたとしても、契約が解除になってしまう可能性がありました。
この、告知義務の重大な過失に関して、契約解除ができるケース、できないケースを、保険法では厳密に定めました。そして、保険法の内容よりも契約者が不利になる約款は無効、とのことです。
告知義務違反で、保険会社側が契約解除できないケースは、次のとおりです。
・保険募集人(媒介人)が告知を妨害したり、告知しないことを勧めたと認められるとき。
・保険会社があらかじめ被保険者が告知すべき内容を知っていにもかかわらず契約したとき。
・保険会社の過失により(告知の質問漏れなどで)告知の事実を知らなかったとき。
・契約解除となりうる事象が判明してから1ヶ月以内に解除しなかったとき。
・契約から5年以上が過ぎているとき。
よって、なるべく告知漏れが起こらないよう、告知書の改定などが行われているようです。
それにしても、現実問題として、多くの保険契約が5年以内に、あらゆる方法で見直されている、すなわち契約し直しが行われていますから、最後の「5年過ぎているから契約解除なし」ってのは、なかなか適用されない気もします。一度契約した保険を、5年以内に見直すのはちょっと考えもの、のような気がしてきました。
今回は告知に関して、気になる部分を取り上げました。