不明高齢者について思うこと
東京都足立区の111歳の男性が白骨死体で発見された事件以降、全国各地で100歳以上のお年寄りの安否確認が続いています。
確認がしっかり取れているケース、残念ながら死亡が確認されたケース、行方不明など、状況はさまざまです。
足立区111歳男性のケースが、いきなり度肝を抜かれる状況だったので、まずは振り返っておきます。
111歳男性は、その家族が住む家の一室のベットに横たわった状態で白骨となっていました。死後30年は経過しているとのことです。
同居家族は4人。長女81歳とその婿83歳。49歳と51歳の孫。
はっきり言うと、みんないい大人です。
その同居人が、民生委員などの来訪時に、「(111歳男性は)元気にしているが、他人との接触は拒んでいる」とか、「岐阜の施設に預けた」などといいながら、面会を拒否していたとのこと。
その間、男性には、自身の年金や、亡くなった妻の遺族年金が支払われ続けていたという。
その、支払われた年金は、最新の情報によると、行政の調査が本格化した7月に集中的に引き出され、貸金庫に保管されていたとのこと。
あくまで予測ですが、数年前に亡くなった101歳妻まで含めて、グルになって男性の死亡を隠していたとしか思えません。
そして、年金の手続きは、残った誰かが行ったと考えるほうが自然。
私の感想はひとつ。そんなごまかしは本当にやめましょうよ。亡くなったらちゃんと弔って、手続きしましょうよ。
で、残念なのは、似たようなことをやっている家族が、もしかしたら全国にいるんじゃないかってことです。
ちゃんと生きてて、面倒を見てあげているのならOKでしょう。亡くなっているのに、お金だけ利用するなんて犯罪ですよ。
今回、もっとびっくりしたのは、親族が数10年、行方不明になってても、捜索願を出すでもなく、放っているケースが散見されたことです。
人とのリアルなつながりが、希薄な世の中になりつつありますけど、せめて親族、自分の家族くらい、気に掛けるべきじゃないでしょうか?
ただまぁ、核家族化が進むよう、住宅ローン減税とか、住宅購入時の贈与非課税とか、なるべく多くの人に家を持たせる、そんな政策を打ち続けているから、将来さらに他人とのつながりが薄い、孤独な老人は増えていくのでしょうけれど。
やはり、家族が支えあうほうが有利な制度、税制に転換してほしいと思う、今日この頃です。もちろん、111歳男性の家族のようなズルと思われそうなことはいけませんけど。