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株主総会訪問記:ソマール(8152)

6月27日午前中。東京銀座の歌舞伎座の裏手にあるソマール(8152)の株主総会に参加しました。

この銘柄、実は、すでに株主ではないのですが、召集通知が届いたため、思うところあり、参加することにしました。

そして、参加してみた様子、改めて会社HPなどをチェックして得た結論は、

普段の、高配当のみに期待してあまり深く考えずに買い増しする戦略が見事にハズレたのは仕方ない。とりあえずソマールは相性が悪いと自覚して避けることにする。

というものでした。

私の日本株ポートフォリオを大雑把に説明すると、銘柄選択で重視する点は次のとおりです。

・毎月配当をそれなりに受け取れるようにすること。 
 銘柄の期末を分散させることがセクター分散にもつながります。
・配当利回り高め、かつ中間配当が出る銘柄を重視。
 半年おきに配当を出し続ける会社は企業ファイナンスがしっかりしている、と考えてます。

もう少し具体的にいうと、1月期末銘柄と7月期末銘柄を組み合わせて数銘柄、2月期末銘柄と8月期末銘柄を組み合わせて数銘柄、という具合に銘柄選択していきます。全体で20銘柄以上の保有になります。

(なお、NISAで購入しているのは、現段階では上記とは別枠で管理しています。)

以上を踏まえつつ、経緯を振り返るために、コツコツ買ったところから振り返ります。

ソマールとの付き合いは、2013年5月ころからです。

例年5月中旬までに、3月期末銘柄の決算短信が発表されます。まず、自分の3月期末決算の保有銘柄の短信を確認し、保有銘柄の配当利回りと未保有銘柄のそれを確認し、銘柄入れ替えするかを検討します。

検討の結果、入れ替えて新たに買うことにした銘柄の1つがソマールでした。当時の記録を見ると、配当利回りはおおよそ4.8%前後でした。

2013年9月中間期は無事にクリアし、12月に中間配当が振り込まれました。

赤字予想であることがたしかに気になりましたが、いわゆるタコ足配当を続ける会社もあるため、深く考えずに保有を続けました。

そして、2014年3月期末を、何事もなくクリア。権利確定し、その後も保有しました。

しかし5月に、事故が待っていました。

5月9日の大引け後、「特別損失の計上」および「業績予想および配当予想の修正」のIRが出されました。

権利確定した期の、期末配当がゼロになりました。過去に数回しか経験してない出来事でした。

私の損切りは、通常、進行期の期待配当利回りの高低で決めるのですが、権利確定したものを後出しで無配にするような会社には用がないと考え、この段階で損切りを決行しました。

ついでですが、5月15日の決算短信では、進行期の無配予想も出されました。

そして6月となり、総会招集通知が届いたので、他のスケジュールと相談し、参加してみることにした、というわけです。

会場は本社。今月総会に参加したほかの3社(ネットワン、スカイマーク、みずほ)と比較して、いちばん小さい会場、小規模な参加人数でした。

司会は社長の曽谷太氏。若い印象でしたが、たしかに召集通知で確認すると、私より若者でした。

多少棒読みっぽい印象で議事が進みます。

特別損失は、主に仙台の工場の先行投資が原因で、さらにはその工場の稼動が計画未達になったことによるものとのこと。

ただ、正直、予習が少なくてこの会社なに作ってるのか予備知識がなかったのですが、議事進行のプレゼンの中にも具体的な商品の写真があるわけでもなく、やる気があまり伝わってこなかったというのが私の感想です。

質疑応答に入りました。3月末日に権利確定したものを5月9日に無配に修正したことの違和感を、素直にぶつけるよう、質問することにしました。

が、手を上げるのが早すぎて、トップバッターでマイクが回ってきました。カラオケ以外でマイクを握るのは久しぶり(最後にやったセミナーはノーマイクでした)で、その瞬間意識が飛びそうになりました(>_<) 

頑張ってなるべく長くならないように、言おうと思っていたことを再現しました。

「御社は先ほどから、そして、(召集)通知の中にも『スピーディな経営判断』という言葉が出てきます。しかし、権利確定した期末を後から無配にするようでは、スピーディな経営判断が行われているとは思えません。その点が非常に不満です。今後、どれくらいで復配するつもりなのか、見通しなどを教えていただきたい。」

こんな内容を伝えたつもりです。

とはいえ、5月15日の決算短信で進行期の無配、および赤字継続をすでに発表していることもあり、曽谷氏としても「なるべく努力する」と言うのが精一杯だったようです。

私の後にも、2名質問者の発言がありました。私と同様、無配にびっくりした、と語る人。ずっと赤字で、しかも中期経営計画は前回のものと一字一句同じで、本当に大丈夫なのか? と心配する人。曽谷氏いわく、「仙台工場の稼動が本格化したらなんとかなる、と思う」というようなことを話されていました。

正直、かなり不安になりました。私自身は上記のとおり株を手放していますから、残った株主が心配です。

質問は3名で終了。その後、議案採決。まぁ、36%保有の大株主がいるので小口株主がどうあがいても仕方ないのですが、拍手での採決のさい、第1号配当の件は、私は拍手するのをやめました。

3号までの議案がすべて終わって、解散。今月行った総会の中では最短の約40分で終了しました。

帰宅後、ソマールに関して予習不足を痛感した私は、改めてHP、IR情報、日経新聞その他の情報をあたりました。

そこで知ったのは、ソマールの大株主である宗屋と多摩興産は、それぞれ同族会社であること。

宗屋および多摩興産の社長はソマールの社長の父親。そしてソマールの社長の兄も役員で名を連ねる。

さらに、銀座のビルは宗屋のもので、ソマールは相応の賃貸料を宗屋に支払っている。

要するに大株主にも配当を支払う必要ないってことなんだな、と理解しました。

いろいろと残念です(´・ω・`) ソマール株実質48%保有の父親の機嫌さえ損ねなければ安泰みたいですね。

いつまで赤字のままで続けられるのかは見ものですが、私自身は監視銘柄から外すことにします。


【参考リンク】

ソマールHP
ソマールIR情報
ソマール会社四季報オンライン
ソマール日本経済新聞

【おまけ】

総会の帰りに、おみやげをいただきました。自社製のレンズ拭きと、ロイスダールのクッキー詰め合わせ。

帰りは事務所(面談スペース)近辺で昼食。


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