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投資信託を使うべき場面、個別株で十分な場面

この記事のタイトルをもっと過激にしようかとも思ったのですが、結局のところ勇気がないですね。

投資信託は非常に便利な商品です。1万円程度、証券会社によっては500円ほどの小額からの積立が可能ですし、アセット別、セクター別、国別などさまざまな商品がありますし、さらにはリスク別にも商品が分かれています。

ある程度学べば、自分がどれくらいのリスクを取れて、どんな商品をどれくらい購入すればいいのかわかるはずなのですが、ほとんどの人が学ばずに、初めて相談した人のいいなりで商品を選んでしまっているようです。

初めて相談したその相手が、インデックス型投資信託のようなコストが比較的安いものを勧めてくれるのならいいのですが、もちろん、営業の人も正直儲けたいです。手数料額が高いと思われる、通貨選択型毎月分配投資信託のようなものを販売しちゃうのでしょう。

どうすればいいのか。

やはり、自分で蓄えたお金の使い道は自分でちゃんと始末をつける、という意識をもって、お金、投資、運用について必要最低限のことを学んでおかなければならないのでしょう。当然、使う金融機関はネット証券をメインにすべきです。

極論を言えば、投資信託を使いこなすには学ぶことが多すぎるので、個人の金融資産運用は預貯金、個人向け国債、そしてリスク資産は国内の個別株式まででいいのではないか、というのが最近の私の結論です。

どうしても投資信託を使わなければならないケースは、次のような場合かと思います。

・運用の予算が極端に少ない場合。

最初にアセットアロケーションの知識を知ってしまい、国際分散投資を1万円~数万円の積立で始めたい場合は、投資信託が便利です。

・逆に、運用の予算が大きすぎて個別銘柄では手に余る場合。

運用資産が数千万円~数億円になると、個別銘柄での運用は煩雑になってきます。投資信託にまとめてしまうほうが無難でしょう。

・個別銘柄の情報が手に入りにくい場合。

海外アセットで、たとえばアメリカの個別銘柄の情報を調べるのは、資料が英語だったりすることもあり骨が折れます。ならば、海外資産への投資はざっくり投資信託で行うべきでしょう。

・1円単位でアセットアロケーションをきっちり管理したい場合。
あまりに神経質かと思いますが、あらかじめ決めたアセットアロケーションをきっちり実現したい場合は、投資信託を使わないと無理です。もっとも、購入した翌日にはバランスが崩れますから無駄な努力に思えますけど。

以上のような場合は、やっぱり投資信託が便利だと思います。

運用予算が増えてきて、かつ、アセットアロケーションの比率の多少のずれを許容できるほど経験を積んだ場合は、ETFや個別株式が選択肢に入ってきます。

さて、ETFは「上場投資信託」ですから、売買方法が上場株式と同じなだけで投資信託相当ですが、個別株式は投資信託と比べて銘柄選択が難しいとされています。

ですが、ポートフォリオ理論によれば、十分に分散された銘柄選択をすれば、具体的には20銘柄以上保有すれば、個別銘柄リスクは十分に下げることができる、ということになっています。

20銘柄分散は、予算いくらくらいで実現できるでしょうか?

ヤフーファイナンスの株式ランキングでは、「単元株価格下位」を簡単に表示できます。

それによると、1単元あたり5万円以内で買える東証上場銘柄は511銘柄。
3万円以内に絞っても251銘柄。
1万円以内まで絞ると44銘柄。

いずれも2014年7月3日終値現在での数ですが、これだけに調査対象を絞ったとしても、実際に投資すれば市場の恩恵を受けられるのです。

つまり、最低20万円の予算でも、20銘柄分散のポートフォリオを作ることが可能だ、ということを、上記の情報が示しています。もちろん、60万円の予算、100万円の予算のほうが選択肢が広がるのですが、初心者であればあるほど、まずは低予算で投資すべきですし、選択肢も少ないほうがやりやすいでしょう。

ちょっと長くなってきたのでいったん区切ります。

近いうちに、個人向け国債と国内個別株式のみでアセットアロケーションを組んでみる方法論について書いてみます。

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