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株主総会訪問記:リベレステ(8887)

今月2件目の株主総会訪問です。今回は、リベレステ(8887)にお邪魔しました。

正直言うと、あまり期待せずに訪問したのですが、予想以上に面白い話を聞けました。株主相手だからこそ聞けたのかも知れず、どこまで公開してよいのか難しくて不安です。

会場はリベレステ本社。埼玉県草加市の、東武線新田駅のすぐそばでした。

15分ほど前に本社に到着。正面玄関から入るとすぐに受付。普段は全社集会に使うのであろう大きな会議室に、前のほうの席には長机と椅子。5列目以降は椅子のみが並べられてました。

ただ、まだ少々時間があったので、会議室の隣にある、少々広めの普段は応接室、もしくは待合室として使われている部屋で、ほかの株主さんといっしょに飲み物をいただきました。私はカルピスウォーターを選びました。

定刻どおりに株主総会がスタート。議事進行は代表取締役社長の河合純二氏でした。ざっと見渡した限り、会場での出席者は70人ほどでしょうか?

最初の15分は事業報告。主に人件費と材料費の高騰により、仕入れを慎重に行ったことが売上減につながったとのことでした。

ただ、会社としては利益重視の経営をしており、売上高を追って赤字になるよりは、堅実に黒字となるように努める、とのことでした。

株主総会での議案は配当額のみ。その説明を終えると、株主からの質問の受付タイムとなりました。

ただ、そこで出てきた質問は、「ホテルをどうするのか?」ということで終始していました。

ホテルとは、現在、星野リゾートに運営を委託している、「星野リゾート 裏磐梯ホテル」のことです。株主であれば、株主優待宿泊券が届くあのホテルです。あれ、リベレステが保有しているのだそうです。

古い株主さんはみんな猫魔ホテルと呼んでましたが。

リベレステとしては、裏磐梯ホテルは本来、転売目的で購入したそうです。資産価値を落とさないためにホテル営業を続けて売却のチャンスを狙っているとのことでした。

ただ、やはり東日本大震災、そしてそのときの福島第一原発の事故の影響が非常に大きく、一時はかなりの赤字営業だったようです。

最近、やっと黒字化のメドが見えてきたとのこと。

そして、ホテル事業に関しては、これ以上行うことはないとのことでした。売却先が見つかれば撤退、と考えてよさそうです。

リベレステはあくまで土地を買い、そこに建物を建てて売る企業であり、その中にビジネスホテルということもありえますが、ホテルの営業に関してはそれほど興味がない、という印象でした。

株主総会での質問はおおよそここまで。そして、決議。配当額は例年通りなので問題なく可決。5分の休憩ののち、第2部と称した経営説明会が始まりました。

株主総会での語り口から多少変わり、経営説明会では、ほぼ、河合社長の独演会でした。

改めて減収減益だったことのお詫びから入り、株主に報いる方法としては安定配当を重視していること、そのために売上を求めず利益重視の経営をしていること、株高は過度に求めず、細く長くご縁をいただければいい、河合社長が目の黒いうちは無配にはしない、という話をされました。

近年の業界の状況としては、

・まず、東日本大震災による復興需要
・既存インフラの老朽化の補修など国土強靭化計画
・アベノミクスによる公共投資増大
・オリンピック決定
・直近では広島など、異常気象に伴う災害からの復旧需要

これらが一気に押し寄せて、業界は人手不足、材料費高騰になってしまい、利益が出しにくくなっているとのことでした。

顧客が買いたいと思う値段と、実際に売るときにつけたい値段が乖離し始めたとのことです。なので、ちょっと慎重になった結果が減収減益とのことでした。

そのほかにも、

・年収500万円前後の人と年収1000万円前後の人の購買行動の違い
・相続税制改正による不動産市場への影響
・リニア、北陸新幹線開通により東京圏の広域化により都心の不動産価格への影響
・高齢者が一戸建てを面倒くさいと感じている
・山林やゴルフ場を買うことの目的
・少子高齢化の対策としての移民問題に関する私見
・豊かになった中国がどうして周辺国を騒がせる行動を取るのか

などなど、ちょっとした経済セミナーのような情報量でした。

全体を通しておおよそ1時間と40分。やはり直接会社の人の話を聞ける株主総会のような機会は、出来る限り利用するべきだな、と改めて思いました。リベレステの河合社長の話は、面白かったです。

【参考リンク】

リベレステHP
リベレステIR情報
リベレステ会社四季報オンライン
リベレステ日本経済新聞

【おまけ】

お昼は地元に戻ってしまったので、総会前にエキナカで寄り道したときの一杯を。



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