ずるいオトナが生み出したベストセラーは著者のためになるのか?
ノウハウコレクターはよろしくない、という意見もありますが、英語学習に関してはどうしてもこれがとめられません。
最近買った本は、以下のとおりです。
他にも、TOEICの本とか、単語学習アプリとか、英語に関していろいろお金を使ってきましたが、結局のところ本人のやる気の問題だろう、という結論になってます。
私自身、仕事で英語を使うことはおそらくなく、今後はレジャーで海外旅行に行くさいに旅行英語を使うのが精一杯だと思うので、その際に肩の力を抜いて自分が覚えている範囲の単語と文法でなるべくシンプルにしゃべるようにしましょう、という趣旨の「ずるいえいご」とか「インド式」の本は、非常に参考になりました。そして、最終的には暗唱例文は自分でリストアップしなきゃいけないのかな、とも思います。
さて、今回、特に「ずるいえいご」について取り上げたいと思います。この本、かわいい絵のマンガ仕立てで、タイトルも表紙も目を引き、内容にも納得なのですが、すごく気に食わないところがあります。タイトルと本文の整合性がない点です。
ついでに言うと、著者のブランディングにも今後問題になりそうだ、と思います。
最初に飛び込んでくるこの見開きを見たとき、「ああ、なるほどね、著者には書名の決定権ないよね」という軽い気持ちでした。
ですが、本を読み進めると、すごい違和感を感じました。「すてる英語」が多用されていて、「ずるい英語」がほぼ皆無だったからです。
この本のノウハウのすべては、6ページ目に凝縮されてます。
言い換え技術で話せる
今ある英語だけで、それをいかにして応用し、使いこなして話すか、というノウハウ…つまり、「すてるえいご」をお伝えします!!
英会話は、自分が表現したいことに関して、それをぱっと話せるのが究極の目標ですが、もし詰まるなら、そして伝わらないなら似た別な内容を話してみよう、というのがすべてです。そしてそのために、
・8割すてる
・大人語をすてる
・直訳をすてる
・抽象語をすてる
つまり、完璧な英語や、見栄をすてて思ったことを話せるようになってしまおう、というのが本のメッセージです。
「すてる」のオンパレードです。すてるは他の言葉に代え難いキーワードです。
そして、参考リンクでも取り上げているとおり、青木ゆかさんは「すてる英語スクール」の「すてる英語トレーナー」です。
青木さんは、「ずるい英語の人だ~」と呼ばれたいのか、「すてる英語の人だ~」と呼ばれたいのか?
すてる英語を広めたいのに、本が売れたほうがいいから「ずるいえいご」というタイトルにする。たしかに私もこのタイトルだから本を手に取ったのだろうし、編集者など回りのスタッフの思惑どおりに売れている、かもしれません。
でも、本当に「すてるえいご」では売れなかったのだろうかという疑問はぬぐえません。もう発売されて売れちゃったから結果オーライという話でもないでしょう。
ただ、先日より青木ゆかさんのFacebookなど拝見している限り、その点について指摘してるのは私のみのようで、他の人はあまり深く考えず、出版できたこと、そして売れてそうなことに関して祝福されている人ばかりでした。
私自身が青木さん本人のことをもっとご存知であれば、やはり違う印象になるのかもしれません。
正直、著者の青木ゆかさんは「すてる英語」でブランド作りしてるのだから、本もそうするべきだった。売れればいい、って話じゃない気もするし。「すてるえいご」のタイトルで出版してもらえる会社を粘り強く探すべきだったのかも。
— 松本勝晴(FPブロガー) (@k_matsumoto) 2014, 8月 9
私の意見は上記のとおりですし、アマゾンなど検索した限り、「捨てるなんちゃら」という本はたくさん出版されており、別に「すてるえいご」で勝負してみてもよかったではないか、と思っています。
あくまで部外者の戯言ですけどね。どういう経緯でマンガとのセットにしたのか、そもそもなぜ日本経済新聞出版社なのかとか、関係者がいろいろ考えた上での出版なのでしょう。
【参考リンク】
「すてる英語」青木ゆか公式サイト
ちなみにマンガ担当ほしのゆみさんのサイト:絵日記でもかいてみようか
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