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FP関連情報収集(5)ライフネット出口氏の考える21世紀の保険とは

ついに5回の連載になってしまいました。

もう1週間もたってしまう、2月20日、21日の話ですが、実は、2月22日の昼過ぎから一気に書いています。おおよそトータル8000文字になります。推敲をちょっとゆるめにすれば意外と書けるものだ、とも思いました。

当然、書くべき見出し、テーマが決まっているからですが。

いよいよ区切りを付けます。FPネクスティアンカンファレンスで興味深い話をシェアするブログ、最後にライフネット生命の出口治明会長。テーマは「生命保険の将来」です。

ライフネット生命といえば、日本で唯一の、ネット販売が主体の独立系生命保険会社です。他のネットで購入可能な保険は、大手生保の子会社や関連会社であることが多いです。そんな意味で、ライフネット生命はかなり特殊な保険会社と言えます。

会長の出口氏は、もともとは日本生命の方で、日本生命ロンドン法人の社長まで勤められた方です。そんな方があえて、新しい保険会社を作って。もうすぐ7年になります。なぜか? 信念があったからです。

出口しはセミナーでまず、タテヨコ思考の大切さを話されました。縦は「昔はどうだったか」、横は「海外ではどうか」。さらに「数字、算数で考える」ことも加えて、自分で考えることが重要だ、とされました。

いま現在、生命保険募集人の改革が進んでいます。保険代理店の制度が大きく変わり、さまざまな規制により縛られるものの、「なぜその保険を選ぶのか」に関して、かなり透明性を求められる販売形式に変わっていくようです。

出口会長は、第2次大戦以降に必要だった保険と、今後必要になる保険は明らかに変わるだろう、という考えをお持ちです。なぜか? それは前提がすべて変わったからです。

便宜的に、20世紀と、21世紀の違いとして比較します。

20世紀、
・日本は戦争で敗れ、先進国をキャッチアップする立場だった。
・銀行預金でさえ金利が5~8%にもなる高金利だった。
・基本少なくとも4人家族以上、3世代ならもっと多い大家族主義だった
・焼け野原の国土復旧から朝鮮戦争特需を経て、高度成長が期待できた。
・人口が爆発的に増えて、政府が家族計画を推奨するほどだった。

21世紀は、
・日本はすでに先進国である。
・低金利になっており、安定的でも高いリターンは期待できない
・1人暮らしがかなり増えて、今後も増えそうである
・アベノミクスとはいえせいぜい2%程度の低位成長しか見込めない
・そして、人口は減少に転じている

これだけ前提条件が変わっているのだから、20世紀に爆発的に売れていた保険がそのまま通用するわけがない。

しかし、保険営業員の中には、まだ古い頭のままの人たちが大勢いる。

ライフネット生命では、しっかり考えて、21世紀での前提に合った、新しいニーズに応えるシンプルで安価な生命保険を提供していく、とおっしゃってました。

理念は本当に素晴らしいと思いました。

とはいえ、生保代理店改革の中で、1社専業に戻っていく保険代理店や営業員もかなり増えると思います。その人たちは、取り扱っている保険がやはり一番だと思って、営業してくるに違いありません。

ならば、顧客のほうが、自分で考えて選べるようにならなければいけない、と思いました。


以上で、2月20日、21日にかけて私が見聞きしたセミナー、レクチャー、勉強会の内容のシェアに区切りを付けます。

改めて、自分のキャリアを今後どうするのか、悩んでしまいました。もちろん、今の段階では代わりがいくらでもいる立場でしかありません。何かしら特徴のある個性、私ならではのものを提供するならば何か、業際やコンプラを考慮しつつ考えていかねばならないと思いました。

とりあえず、執筆力の強化にもなる、大学での論文執筆に取り組んでみることにして(入学できたらですが)、それと平行して事業も行えればよいなと考えています。

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