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論文とは、他人の意見を知り、それを検証し自分の意見を述べるもの

『レポート・論文の書き方入門』 河野哲也著

引き続き論文の話です。

学問は、学び、問うことである。そして、論文とは、問いと答えがあるものだそうです。

問題を定義し、その解答を与える。問答になっていなければならないとのことです。

もう少し突っ込んだ話をしてみましょう。

テキスト批評という練習法の中で、問答の作り方の話が出てきます。

とあるテキストにその著者の主張があるとします。テキストを要約してあぶりだされた著者の主張を、次のように分けます。

前提、証拠ないし事実、推論結果

具体例になっているかどうか心配ですが、作ってみました。

人口が減少するのは良くない(前提)。
人口が減少している日本ではGDPも減少し、経済が縮小している(証拠)。
したがって経済を活性化するには人口を増やすために少子化対策が必要である(推論)。
とある人がこういった主張をしているとします。そして、本によると、前提、証拠や事実、推論結果のそれぞれに対して検証すること、これが問題提議であり、詳しく検討することが議論になる、というのです。

上記のテキストに問題提議してみます。

人口が減少するのは良くない(前提)。
  ↓
人口が減少するのは本当に良くないことなのか?(問題定義)
  ↓
人口が減少するといいこともある。(反論)
  ↓
人口が減ると、環境問題が解決に向かったり、社会コスト減少にもつながる。(反論の証拠)

同様な作業を、証拠、推論でも行います。そして、最終的には自分の結論へともって行きます。

『レポート・論文の書き方入門』を読んで、論文とはここまで細かい作業なのかと改めて思いました。そして、このような丁寧な作業を繰り返すことで、学問が発展していったのだな、と改めて思いました。

自分がこの作業を苦も無く行えるようになるには、どれくらいのレポート件数に向き合えばいいのかわかりませんが、教授なり担当官の厳しい添削を参考にして、頑張って書くしかないのでしょうね。


さて、これらの論文の書き方に関して、よくよく考えたら毎日読んでるかも、と、既視感を感じていました。なんと実は、面白いブログを書く人はだいたい、以上の論文の書き方が反映されているのだと思いました。

どこかから面白いネタを見つけてくる。ネタの発信者の主張を分析する。その主張に対して反論をし、自分の主張を展開する。なるほど、と思いました。

ただ、この反論の部分で、手順なり構成などをしっかり作れない人が感情的な言葉を使ってしまうと炎上になりますし、議論になりません。

他人のブログに対して述べるには、論文の手法を使うべきでしょう。入学後のレポート作成は、その訓練にもなりそうです。

【参考リンク】
慶應義塾大学 通信教育課程
※当記事はさまざまな事情を考慮した上で、2014年12月末までに執筆したものを、2015年4月入学願書受付締切日以降に公開しました。
なお、次回募集は、69期生募集要項によると2015年8月10日~9月10日消印有効の予定です。

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