2月が終わった週末に曲がることを願って悲観シナリオを提供してみる
月曜日が29日ということで、今週は2月と3月の境目でした。
日経平均4日続伸、終値54円高 1万7000円台回復 https://t.co/oYjwMYauxX
— 日本経済新聞 電子版 (@nikkei) 2016年3月4日
3月に入って、今年初の4連騰を記録しました。4連騰は、下落相場の底値で起こると反転サインになることがあります。
今後をそんな簡単に楽観してよいのか、改めて調べてみます。
日経平均は、2月1日に17905円の高値を付けた後、2月12日に14865円の安値まで下落しました。3040円ものマイナスでした。
その後、翌週より反転に転じ、3週間後の3月4日には17042円の高値にまで上昇しました。2177円の上昇です。
つまり、約2週間で3000円以上も値が下がり、その後の約3週間で2100円ほど値が戻った、ということになります。
実は、2月安値の14865円は、おもしろい株価位置でした。
今回の強気相場は、野田前首相の解散宣言があった、2012年11月からスタートした、としましょう。
その時の、2012年11月の日経平均安値が8619円でした。
その後、上がったり下がったりしつつもおおむね上昇傾向で、2015年6月の日経平均高値が20952円にもなりました。いわゆる「今世紀最高値」です。
しかし、そこからどうしても株価が上がれず、2015年9月にはいったん、日経平均は17000円を割りました。
そこからのリバウンドで、2015年11月に一瞬は20000円台を回復したものの、再び下落となり、2月の乱高下は直前に説明したとおりです。
実は、2月安値の14865円は、アベノミクススタートの2012年11月安値の8619円と、2015年6月の昨年高値20952円の間の半値、14786円とほぼ同じなんです。
つまり、約2年半かけて上昇した株価が、約9か月かけておおよそ上昇分の半値まで戻ったのち、リバウンドを開始したのではないか、という仮説があるのです。
これは、ストックボイスの解説者(岩本秀雄さんだと思いますが、うろ覚えです)が2月中旬ごろに話していて、なるほど、と思ったところです。
では、今後も順調に株価が上昇基調に戻るのでしょうか? 私は、そうは思いません。
3月4日の高値の17042円は、週足で見るとまだ、13週移動平均線にも届いていません。
そして、13週、26週、52週移動平均線は現在、みな下落基調であり、見事に逆張りの順に並んでます。
逆張りの順とは、短期線、中期線、長期線が、下値から順に並んでいることを意味しています。
つまり、まだまだ目先は下落基調だと想定されます。
他にも、楽観できない材料があります。
先ほど、アベノミクススタートは2012年11月、その後の最高値が2015年6月だと述べました。
これは、おおよそ2年半の期間です。2年半と考えると中途半端ですが、おおよそ3年だと思うと、「小回り3月、大回り3年」の格言が思い出されます。
これは、株価がある一定期間をもって上昇下落のサイクルを伴うという仮説を述べた相場格言です。他にも、5年で大回りの説もあります。
3年、そして5年を半分にした2年半というのは、相場が転換しやすい期間だ、ということです。
そうすると、現在は、2年半続いた上昇相場が反転し、下落相場が「始まったばかり」という仮説が立ちます。
上昇相場でも下がる局面があるように、下落相場でも上がる局面があります。それを繰り返して徐々に株価は位置を変えていくのです。
ダメ押しをします。
今年は、アメリカの大統領選挙の年です。しかも、現職が2期目を終える年であり、必ず大統領が交代します。
過去2回の大統領交代選挙年は、2000年と2008年です。この年、何があったか。
2000年は、日本のITバブル崩壊が、アメリカよりも先駆けて起こりました。
そして、2008年は、まだ記憶も新しい、リーマンショックの本格下落の年です。
歴史は繰り返す、かもしれない、とは、考えすぎでしょうか?
以上のように、正直、上昇傾向に戻ったとは断言できない、というのが私の結論です。
今月中に13週移動平均線を株価が上抜けしてくると、また事情は変わるのですが。
長期スタンス、インデックス運用、積み立て投資の人にとっては、株の上げ下げはあまりとらわれる必要もなく、変わらぬペースでコツコツやればいいので問題ないですけど。
大きな買いポジションを取ろうとする場合は、まだ要注意な局面だと思います。
※なんてことを書いて盛大に曲がれば、それは御の字です。
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