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クレジットカード、デビットカードの事情がいろいろ変わっていた件

このブログでは何度か取り上げているとおり、私はアメックスカードの大ファンです。

ファンが高じて、今現在はプラチナカードを契約しています。いよいよプラチナカード保有歴12年目に突入しました。

その、アメックスが最近になって、サービス改良を進めています。最も注目すべきは、カードのメタル化です。

そのほか、クレジットカードに関して、最近いろいろと事情が変化しているようです。

大雑把には、ラグジュアリーカードが地味に浸透、デビットカードのシェア拡大、そしてクレカ本体によるタッチ決済(コンタクトレス決済)の台頭ですね。

まず、アメックスのプラチナカードのメタル化は、これは検索する限りではラグジュアリーカードを意識したものでしょう。

ラグジュアリーカードが発表された当初、マスターカードの最上位グレードという触れ込みでしたが、ラグジュアリーカード内の券面デザインが、ランクの下位からチタン、ブラック、ゴールドという順番だったのが、正直気に食わなかったです。

もっとも、3ランク共に金属製のカードとなっており、ゴールドに関しては24金を使っているという触れ込みから、高級志向のクレカファンの琴線に触れたのだと考えられます。

ちなみに、通常のクレジットカードのランク分けは、下位からノーマル、ゴールド、プラチナ、ブラック、となっているのが一般的です。で、その中でプラチナカードというランクを初めて作り、商標までもっているのがアメックスなんです。

しかし、本家アメックスの「プラチナ」を避けて、カードのクラス分けを行ったラグジュアリーカードを、アメックス側ももう意識せざるをえない状況になった、ということなのでしょう。そして、てこ入れとして行われるプラチナカードの券面メタル化、そして各種サービスの見直しにより、ラグジュアリーカードに侵食されつつある市場を取り返す、ということなのか、と予想しています。

一方で、クレジットカード自体の市場規模が縮小しているのではないか、という現象も見え始めました。それが、デビットカードの躍進です。

正直、躍進と呼べるほどの流行っているのか、エビデンスがありません。しかし、銀行キャッシュカードにVISAデビットカード機能を付ける、JCBデビットカード機能を付ける、というのが一般的になりつつあります。

デビットカードは、基本的に店舗での決済後、即時に銀行口座に反映されることになっています。

クレジットカードの場合は、1か月ごとの締め日ののち、改めて1か月に1回、銀行口座から引き落とされます。この時間差のあるうちに銀行残高を調整しておく必要がありますが、これはすなわちクレジットリスクとなるため、収入が少ない、若い人や主婦などではクレジットカード審査に落ちることがままあります。

これが、デビットカードであれば、クレジットでないため審査不要になり、銀行での手続きが済み次第発行されます。だから、最初に使うVISAやJCBが実はデビットカードだ、みたいな人が、今後増えることになると思われます。

クレジットカード利用のメリットは、店舗、決済個人、クレカ会社、銀行の4社でそれぞれ信用を分け合うことのはずでしたが、クレカ会社で一時資金をプールする機能を放棄し、店舗、銀行、決済個人をつなぐのがデビットカードであると理解しています。

これって、クレカ会社は単に決済インフラの仲介役にしかなっていないように思えるのですが、これでいいのですかね? それともビックデータだけ押さえればOKというビジネスになったのでしょうか?

ともあれ、人によってはクレカだといくら使っているのか忘れがちになる、みたなことを気にするようで、そういったユーザーが、デビットカードならばそんな心配ない(勘違いですけど)と思って、クレカではなくデビットカードを使う、というふうになっていくのかもしれません。

クレカやデビットカードは、いわゆるキャッシュレス決済の一種に違いないのですが、そのキャッシュレス決済の実際のやり方については現在、いろいろと混乱しています。

具体的には、クレカならばカードリーダーに通した後、署名が必要だったりクレカ暗証番号の入力が必要だったりします。

最新のクレカでは、コンタクトレス決済機能が付いたものが出回っています。マクドナルドやローソン系店舗には、クレカのタッチレス決済レジが導入されており、すでにクレカ本体によるコンタクトレス決済が体験できます。

今後しばらくの間、クレカのICカード化が進み、次回更新時にコンタクトレス決済対応になっていることでしょう。

で、この、クレカのコンタクトレス化を主導したのは、どうもVISAのようだ、という点が、ちょっとおもしろいなと思いました。

コンタクトレス決済の元祖は、おサイフケータイを使った電子マネー決済です。

電子マネー決済は、ポストペイ型とプリペイド型に分けられます。

プリペイド型とは、SUICA、楽天Edy、WAONなど、事前に使う金額をチャージしておくタイプのものです。

ポストペイ型とは、QUICPAY、iDなど、クレカと紐づけされており、実質的にクレカ払いになるタイプのものです。

この、ポストペイ型、日本国内では上記の2つが主流でしたが、実はVISAにもVISATouchという規格がありました。

このVISATouch、一部で見ましたがまったく広がらず、いわば惨敗だったのです。

電子マネー決済インフラ競争で惨敗したVISAが、改めて音頭を取って規格を作ったのが、クレカ本体によるコンタクトレス決済のようです。

もちろん、クレカのコンタクトレス決済は、アメックスもJCBもマスターもそれぞれ規格があるようですが、端末がうまいこと統一されたのはたぶん、VISAが主導したから、ってことなのだろうと、いまのところ理解してます。

そして、クレカ本体でコンタクトレス決済ができるのならば、電子マネー決済や、現在話題のスマホによるQRコード決済からも、顧客を奪う可能性がある。

カードでタッチのほうが、明らかに便利です。よって、スマホなどによる決済から、クレカを直接使うことに回帰していくのではないか、という予想も立ちます。

以上、昨今のクレジットカード事情について、新興カード躍進、デビットカード拡大、カード本体のタッチ決済の視点でざっと書いてみました。

今後、クレジットカード事情がどうなっていくか見ものですし、自分自身も改めて、アメックス以外のクレジットカードを見直してデビットカードに移行しようかなど、考えてみたいと思っています。

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