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相場が急落したらアセットアロケーションの基本に立ち返る

金融市場がどえらいことになっています。

それにしても、今週頭に、下記のようなツイートをした後、週末までに日経平均がザラ場には16000円台を記録し、週末終値で17000円台になるとは思いもしませんでした。

この2週間ほどの急落相場は、値動きの下方向への速さはリーマンショックを上回っているように感じます。

しかし、さらに心配を深めているのは、新型コロナウイルスのパンデミックによる経済低迷を、まだいろいろな指標が盛り込んでいない点です。

サブプライムローンショックのときは、楽観論が残っているうちにだんだんと株価が下がっていき、最終的にリーマンショックが起こったときに急落が起きました。なので、サブプライムショック以前の高値から、リーマンショックが起こるまでには1年以上かかっていました。

あえて言えば、何やら心配な下落が2018年末~2019年初めにありましたが、その後は世界各国の金融緩和政策のおかげで、株価は上昇傾向を維持していました。ほんの1か月前までは。

このような相場急落を目の当たりにして、では、今後の金融資産運用ってどうすればいいのでしょうか? 

実は、金融資産運用をする個人それぞれが、自分の答えを探さねばならない、というのが本音です。さきほどFPとしてアドバイスするときの原則めいたツイートを紹介しましたが、

・生活防衛資金は死守する
・売買は手数料負けしないよう最小限に抑える
・リスクを取りすぎないようにする。分散投資などを心がける

以上に関しては一貫して変わりません。

そして、あとは個人ごとに、蓄財初期であるのか、すでに資産をお持ちなのかバランスはどうなっているのか、などに応じて、自分で考えるしかありません。ただ、それぞれのステージごとにヒントは必要でしょう。

・金融資産運用を始めたばかりの皆さん向け:月収年収と比較してまだそれほど蓄財できていない人にとっては、今、金融商品を安く買えるチャンスです。特に積立であるならば、方針を変えずに積み立てていきましょう。

・金融商品を始めて数年~10数年の皆さん向け:1日で日収、月収、年収など、胃が痛くなるような時価総額増減を経験している場合、リスクを取りすぎているかもしれません。今のうちに積み立ては現金に切り替え、さらに必要なら一部金融資産を現金に換えておくほうがよいかもしれません。生活防衛資金分はとにかく現金で確保しましょう。

・大ベテランのみなさん向け:すでに有り余る生活防衛資金を蓄え済みであるならば、それほど心配する必要はないでしょう。ましてや年金で日々の生活が賄えるならなおのことです。ただし、1~2年内に支払いが必要な大金がある場合は、念のためその分だけ現金化しておくべきでしょう。

結局のところ、自分の生活を守るための蓄財であるならば、生活防衛資金を意識しつつ、アセットアロケーション運用を現物のみで行うのが王道に違いありません。

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