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レポートの書き方を復習する(反省すなわち今後の課題編)

7年ほど、通信制大学に在籍し、やり直しを含めると4000文字25本、2000文字4本のレポートを書いたり、本文4万文字程度の卒業論文を書いたりしていました。それらを書くにあたっての段取りやノウハウを忘れてしまわないよう、まとめておこうという趣旨の連続ものブログの最終回です。

初回はレポートの形式について、2回目は資料集めについて、前回は具体的なレポートの流れの話について書きました。最終回では、今後私がどんどんとレポートを書き続けていくにあたって、もっと心がけたほうがいいのではないか、と思うことについて書こうと思います。

自分が今後もレポートを書き続けるにあたっての課題は、大きく次の3つだと思っています。

・問題提起の日常化
・資料収集および整理方法の確立
・論法の確立

以上を、ひとつづつ考えていきます。

これら3つのことについて考えるのに、私が参考にする本は戸田山和久の『論文の教室』です。

なんと、10年ぶりの最新改訂版が、ただいま(2022年1月15日現在)絶賛予約中とのこと。これはほしいかも。

現段階では、とりあえず2012年版を元ネタにしたいと思います。

・問題提起の日常化
戸田山は、論文とは「問い」と「主張」と「論証」が必要だ、と述べています。

特に、問い、すなわち「私たちは○○すべきだろうか」「○○はなぜ△△なのか」のような疑問を上げ、それに対して「自分はどう考える」すなわち主張をする、という、問いと主張の組み合わせをどんどん作れるようになる必要性を感じています。戸田山は、問題意識を「でっちあげる」ための図書館の利用法、百科事典の読み方、参考文献の探し方について述べたうえで、「目から鱗が落ちたこと」「激しく同意できたこと」「納得いかないこと」「激しく反発したこと」を探し、それらに基づいて「問いの形式化」の作業を行おうと述べています。

戸田山は問題意識をでっちあげる、と述べていますが、これは普段の生活において問題意識を持つということが簡単ではないことを踏まえた言説であり、問題意識を持つことにも訓練が必要なのだ、ということを述べたいのだと私は思います。

・資料収集および整理方法の確立
問いを立てるにも、主張を行うにも、そして論証を行うためにも、読書量の増加とそれらを材料として記録、整理することを系統だてて行うことが必要です。
そして、レポートなり論文なりを執筆するにあたっては、それらの資料を引用できるよう、引用元としてしっかりと追えるよう必要な情報まで残しておかなければなりません。
つまり、とある資料からレポート用に引用したい場合には、直接本文を引用したいケース、自分の言葉で言い換えて述べるケースのどちらにしても、著者名、書名(記事名、掲載誌名)、出版社名、出版年度、ページ数までを、情報として残しておかねばなりません。
通信制大学では、4000文字のレポートを書くにあたり、少なくとも参考資料を5つ盛り込むよう指導される科目もありました。
もし、5冊だけ参考文献をそろえても、最終的にレポートを作成するにあたり、使えないと気付く文献が出てくる可能性があります。それを考慮すると、さらに数冊、合計7~10冊程度は参考文献を揃えておく必要があると思います。
私も、卒業論文においては、上記の、参照文献として使えそうな書籍について、具体的に参照しそうな個所をすべてあらかじめワープロデータ化する作業を行いました。実際に卒論を書く際には相当苦労しましたが、引用のためのデータや注釈のためのデータに関してはコピペで済むようにしておいたのが、振り返ればとてもよかったと感じています。
もちろん、本来は何度も原本に戻って確認するべきだとは思いますが、実際の執筆の上ではそうもいっておられないのが現実です。
いかに、参考文献で得た知識を自分の手元で参照できるようにしておくのか、が、レポートを書く際の効率化のキモとなるのでしょう。

・論法の確立
戸田山は、Aを主張するにあたり、Aを主張することに対する説得力を論理的にアップさせるために行われる言語行為を、論証と述べています。
戸田山は、論証とは、主張、根拠、根拠の裏付け、以上の3つの要素から成り立っていると述べています。そして、よい論証のためには、根拠に十分な裏付けがなければならなず、さらに妥当な論証形式を持っていなければならない、としています。
根拠が十分で、妥当な論証形式を持つ、以上2つの条件が、論証には必要だということです。妥当な論証形式の代表例として、戸田山は、モードゥス・ポネンス、モードゥス・トレンス、構成的ディレンマ(場合分けによる証明)、背理法の4つをあげています。これら「演繹的論証」を行えば主張の信頼性もそれだけアップすると述べています。
ほかにも、ちょっと弱い論証形式の例として、帰納的論証、アブダクション、仮説演繹法、アナロジーなどを取り上げ、それらの違いと、利用する際の注意点なども戸田山は述べています。
いずれにせよ、自らの主張の信頼性を上げるために、論証の型を覚えて使いこなしていくことはとても重要であると同時に、使いこなせるようになるまでには相当な訓練が必要ではないか、とも思いました。

以上、日常的に問題提起について考えること、資料収集や資料整理を丁寧に行うこと、論証の型を身に着けて主張の信頼度を上げることについて述べました。以上のことは、これから改めて訓練せねばならないことだな、と私は思います。
正直言いまして、通信制大学在学中にはここまで精細に意識してレポートや論文をかけていなかったかもしれない、という反省の意味も込めています。今後は、以上を意識しつつ、最終的には体得し意識せず効率よくできるよう、努力していきたいと思っています。

以上で、レポートの書き方に関する一連のブログを終わります。

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