資格試験と「沼」と本来の目的の意思疎通について
先日、無駄に旅行のためにお金と時間を使い、各種会員制度のグレードを上げることを勤しむ行為を「修行」と自虐してる、みたいな話を書きました。
そもそも修行は、スポーツなどで使われる言葉なのでなじむのでしょう。
ところで、学業や資格試験にも、似たような自虐があるのですよね。文系の趣味の場合、突き詰めていく行為を「沼にはまる」と言ったりしますが、これです。
資格試験の本来の目的は、それが目指すジャンルの知識の到達度の確認であり、突き詰めればこれは同業者と意思疎通する資格があるかどうかを示すものだと考えられます。
士業の国家資格などは、業務を行うための必要条件ですし、FPの各資格も、どれくらいの金融知識があるのかのある程度の目安になっています。
一方で、「沼」と呼ばれるものとして、現在自分にとって身近なのは英語の資格試験です。
何が沼なのか。
英語の到達度は、かなり綿密に細分化されており、そのためあらゆる到達度の人向けに細かい区分ができるようになっています。
英検は7グレードに分けられ、最低200点程度から最高3400点までの英検CSEスコアで判定されます。なお、1級合格に必要な英検CSEスコアは2630点です。
TOEICも、TOEIC BridgeとTOEIC、そしてそれぞれLRSWの試験があります。BridgeとTOEICは判定基準が異なるためTOEICに限って言うと、TOEIC LRは10点~990点、TOEIC SWはそれぞれ0点~200点で判定されます。
さらには、これら一見バラバラに見えるものが、CEFRという国際標準スケールで比較できます。
さて、私たちが英語を学ぶ理由ってのは、本来は外国人と必要な会話をしたいってことだと思います。
ですから、正直な話、TOEICが何点であろうが、英検が何級であろうが、目の前の外国人が英語で話しかけてきたときに、こちらも最低限の英語で話すことができれば、目標は達成のはずです。
もちろん、どれくらいのレベルの英語を話したいのかは人によって異なるでしょう。
ホテルや店舗で注文したり質問したりできればOKの人。
ビジネスの現場で商談したりプレゼンする必要がある人。
学問で英語を駆使せねばならない人。
なので、それらを達成するため、そしてできるよう維持するための努力は必要でしょう。
今後どんな努力が必要なのか、やみくもではいけないので、現在の実力がどれくらいなのかを確認して対策を立てるために、英語の試験は必要です。
ですが、極端な話正式スコアが必要なければ過去問を繰り返せば十分です。
そして、正式スコアの際限のない上昇を目指す人や、もっと言うと満点を何度でも取りたいと思ってTOEICに取り組んでいる人もいますが、そもそもCEFRスケールで見るとTOEICの満点は最上位ではありません。
教える側に回った人ならばそのようなこだわりは必要でしょうけれど、一般人で、正直英語をそれほど使う機会のない人にとっては、英語試験の点数をあげることだけに固執するのは、まさに「泥沼にはまっている」のではないかと考えます。
最終的に何を目指しているのか、何ができればいいのかは、冷静に振り返る必要がありそうです。
では、自分はどうかというと、CEFRではB2くらいの英語を使いこなせれば十分かな、くらいに漠然と思っているので、英検で言えば準1級合格を、TOEICで言えばLR800点超え、SWはそれぞれ150点超えを目指し、そこから上は特にこだわらなくていいのかなと思っているところです。
それでも、現状は英検2級に合格経験あるもののぎりぎりの状態で、TOEICもLRは500点台、SWもそれぞれ100点前後なので、今後に必要な努力はちょっと想像できないくらいの量になりそうなんですけどね。
正直言いまして、飽きとあきらめに対しての戦いとなっていて、これもまた沼の一種なのでしょう。
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