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年収の壁という名前のメンタルブロックについて

年収の壁というのが話題ですけど、正直、自分としてはピンと来ていませんでした。

むしろ、くだらない、とさえ思っていました。本当にくだらない。

自分に市場価値があるならば、いくらでも稼げばいいはずなんです。

それを、所得税がかかるようになるからその直前で仕事を調整する。家族手当がなくなりそうだからその直前で仕事を調整する。社会保険の扶養が外れそうだからその直前で仕事を調整する。

なんでそんなことを考えるんだろうと思います。多様性の時代、たとえ夫婦や家族での生活を選んだとはいえ個の違いを尊重する時代においては、お金の出入りも個人別々で考えるべきことです。

家族になったときに、お金のやり取りに関しては厳密さが多少緩和されます。本来は贈与認定されるお金のやりとりも、生活費という名目ならば贈与税は免除されます。

家族を養うことに関しては税制的にも社会保障的にも優遇措置があります。それらが結局のところ年収の壁を生み出しています。家族を、世帯を大切にするならば残るべき制度ですが、個を尊重する時代にそんな制度が必要なのかも、そろそろ議論されるべきです。

雇われる側も、雇う側も、社会保障の保険料は負担に思うのかもしれませんが、いやそもそも税金と同様に必要な経費でしょう???

壁を越えた直後の手取り減収が痛いというのは、それは普段の生活費コストが高いのでは? と思ってしまいます。

もちろん、インフレの時代に変わったようですから、今後さらに厳しい生活になるかもしれませんが。

そして、個人のポテンシャルごとに、稼げる人、稼げない人はいるでしょう。稼げるはずの人が年収の壁によって稼ぐのをやめてしまうってのは、個人の可能性の芽をつぶす行為ではないのか、と感じています。

税金と社会保障は必要経費だと思い、それを負担し、さらに稼ぐほうが、健全かなと考えます。

〔参考リンク〕
NHK NEWS WEB:「年収の壁」対策 10月から実施 制度の抜本的見直しも検討へ
日本経済新聞:「年収の壁」問題の視点 「103万円の壁」過剰に意識、近藤絢子・東京大学教授
読売新聞オンライン:岸田首相、経済対策「5本柱」発表…「コストカット型から歴史的転換を図る」

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