株主優待のみで年に100回も映画を見ることがあまりうらやましいと思えない理由
また、優待名人桐谷さんの話題です。
桐谷さんは先日の番組内で、映画を年間100本程度見ていると話してました。
桐谷さんのことですから、映画を見るのは株主優待のみを活用してると思います。
では、株主優待のみで年間100回も映画を見るのが本当に可能なのか、念のため確認してみました。
結論から言ってしまうと、年間100回も株主優待のみで映画鑑賞するのは、理論上可能です。ただ、大前提として株主優待を獲得できるだけの資産と、それを見に行くための地理的優位と時間の自由を確保する必要があります。
代表的な映画会社の銘柄は、やはり東映、東宝、松竹でしょうね。
東映なら丸の内TOEIおよびT・ジョイ系列が、東宝ならTOHOシネマズ系列が、松竹ならピカデリー系列やMOVIX系列の映画館が利用できます。
そして、各社の株主優待の活用方法が微妙に違うものの、けっこうな利用回数分の株主優待が提供されてるんですよね。
まず、東映は、1単元(100株)を保有すれば、半年に1回、優待券6枚綴りが1冊手に入ります。これは自社配給分なら6回分、他社配給分を見たい場合でも3回分に相当します。そして、60単元(6000株)保有の場合は優待が30冊になります。
次に、東宝は、1単元を保有すれば、半年に1回、優待券(映画株主ご招待券)が1枚手に入ります。そして、100単元(10000株)保有の場合は20枚になります。
最後に、松竹は、1単元を保有すれば、半年に1回、優待ポイントが80ポイント手に入ります。これは通常なら8回分に相当します。新宿ピカデリーのみ20ポイントが必要で、3D映画の場合は1.5倍のポイントが必要になります。そして、10単元(1000株)以上保有の場合は480ポイントになります。
以上のような状況ですので、単純に考えるなら松竹を10単元持てば、MOVIX系列で年間100回近く映画を見られる、ということになります。MOVIXばかりじゃなんなので、他の映画会社の株も保有しておけば、そのほかの映画館を活用することもできるでしょう、という感じです。
なお、1月9日の取引終了時点の株価は、東映は20490円、東宝は4927円、松竹は9851円ですから、実は映画関連の株主優待を獲得するにはけっこうな資産が必要なんですよね。
一見株価がいちばん安い東宝を例にとると、1単元(100株)は49万2700円。この金額を使って年2回分の映画株主ご招待券がもらえるってことなんですが、これが本当にお得に思える人は50万円もの金額を株に変えて放っておける人なのです。もちろん、株を保有し続ければ、優待制度が変わらない限り、毎年ご招待券が届きます。
ところで、普通の人って、映画館で映画を年に何回くらい見るのでしょう。
この件でWeb検索してみたところ、おおざっぱには日本人の三分の二くらいの人は年間で1度も映画館に行かず、そのため全日本人の年間平均映画鑑賞本数はおおよそ1.4本になるとのことです。
年間に1回以上映画館に行く人だとしても、その都度、交通費と入場料など合計数千円を支出すればいいわけで、その程度の頻度なら株主優待をもらうほどでもないし、そもそも株に回すお金がない、って思っちゃう人がほとんどかもしれません。
〔参考記事〕
楽しい株主優待&配当:ひっきー:映画館で使える株主優待
NTTコム リサーチ:第8回「映画館での映画鑑賞」に関する調査
ITニュース、ほか何でもあり。by KGR:平均的な日本人の映画を見る回数
※追記
私自身は優待クロスみたいな制度は詳しくないうえに食わず嫌いなのでそれを使うことは前提としていません。
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